DXは子ども支援現場を救うのか?こども子育てDX最前線レポート2024
子ども子育て業界に押し寄せるDXの波。
「こども子育てDX見本市2024」に行ってない方々のための現地レポ。
長らくアナログ時代が続いていたこども・子育て業界も、DXの波が来ています。
この度、フローレンスでこども家庭庁主催「こども・子育てDX見本市」に出展してきました。
今日は、行ってない方々のために、どんな感じだったか3分で分かるレポートをご紹介します。
【事例】
まず、こども・子育てDXの中心は、「保育園支援ソリューション」です。ユニファの「ルクミー」やコドモン社「コドモン」等がメジャーですが、その他岩手インフォメーションテクノロジー社さんの「おがーるシステム」等、たくさんの会社さんがソリューションを出されています。
これは国策として保育園の労働負荷を減らそうと「ICT補助金」を創設したことで、市場創出がされたことがきっかけでした。
2024年12月現在においては、それに加えて、児童相談所やこども家庭センター向けソリューション(両備システムズ「R-Stage 家庭児童相談システム」)や母子保健支援ソリューション(キッズパブリック社「産婦人科オンライン」)等が周辺領域に存在しているようです。
特化型サービスとしては、(DX文脈から若干外れるけど)盟友上野さん率いるベビージョブ社「手ぶら登園」。昨日、東京プロマーケットに上場されて、ほんと拍手です。いつの間にか3社くらい競合も生まれてて、市場つくってる感があります。
変わり種として面白かったのは、ChiCaRo社の遠隔共同子育てロボット「ChiCaRo」。
障害のある保育士がロボットを通じて保育園の支援業務ができたら良いだろうなーと。
【傾聴型相談AI「いまきくイヌAIちゃん」】
そんな中、我らがフローレンスは傾聴型相談AI「いまきくイヌAIちゃん」を出展を出店。ユーザーとの直接コミュニケーションをAIが担う、とい言うのはまだ珍しそう。しかも専門職が裏で付いていて、AIが対応できないものは専門職が対応する、という仕組みは唯一でした。
相談者さんたちからかなり高い評価を頂いているのはもちろん嬉しいですが、
何よりすごいのは、このソリューションは自治体の相談対応のコストを劇的に下げ、人手不足に対応できることです。
人とAIのどっちにも相談できる環境に置いた時に、9割のユーザーがAI相談のみで完結していました。乱暴な言い方をすると、生産性を10倍にできるということです。
「いのちの電話」等、公的電話窓口の受電率(対応率)は10%以下。この「助けるべき人を助けられない」状況を変えうる、ということを意味します。
そんなわけで、全国の自治体のみなさん、ご連絡ください。お試し導入プランもあります。
※孤独・孤立対策の分野ではすでに自治体さんとの連携実績があります!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000341.000028029.html
【気づきと分析】
このこども・子育てDX市場に関して考えたことがあります。
まず、保育園向けソリューションは、保育園に営業していけるのでB2B営業が可能になる、という意味でやっぱり広がりやすい。
一方で、児童相談所、保健所、こども家庭センターや役所の子育て支援課など、もろ行政機関向けのソリューションは、自治体の予算クロックに縛られるので、やはり広げていく時のハードルが大きいな、と。
そこにおいては、自治体向けマーケティングや営業のコンピテンスが問われてくるし、逆にそこの強みを構築していけば、競争優位性を創っていけるんだろうと。
また、行政・自治体向け(B2G)ソリューションをちょっとずらしてB2B向けのプロダクトラインを作っておいて、パラレルで売っていけたら、自治体のクロック制約に縛られず、キャッシュフローを安定化させていけるのではないか、と。
いずれにせよ、保育園をはじめとした、こども・子育て業界の現場のオペレーションの非効率と、津波のように襲う人手不足問題を解決するのにDXは肝だと思うので、みんな同志としてがんばろうぜ!と思ったのでした。
現場からは以上です!