インクルーシブ・テックが、医療的ケア児と日本人全員の可能性を開く
パリパラリンピックがこれから盛り上がろうとしていますが、フローレンスは8月24日「パラeスポーツフェスタ〜インクルーシブ・テックで遊ぼう!〜 」を開催しました。
医療的ケア児たちが集まって、ぷよぷよ、スイカゲームなど、大人気ゲームをみんなで楽しんでくれました。
なんでフローレンスがゲーム大会?と思うかもしれません。
【医療的ケア児の中に潜む可能性】
フローレンスは、2014年に障害児保育園ヘレンを開設して、それまでどこにも居場所がなかった医療的ケア児の子どもを、長時間お預かりする実践を始めました。それに加え、医療的ケア児のためのシッター「ナンシー」もやってきました。
その中で、すみれちゃんという小学校3年生の子と出会いました。彼女は肢体不自由で、体は少ししか動かせません。しかし、スイッチコントローラーという、指一本で使える器具を活用して、iPadのマウスを動かすことはできました。
そこで、絵を書いてみました。何度も繰り返し練習することで上手くなり、彼女の絵は東京都知事賞を取りました。
今はTシャツのデザインをして、ユニクロのTシャツオンラインストアで売っています。大好きな綿菓子を買うというご褒美のために。
これって、すごい可能性だな、と。
彼女たちには、そういう才能が眠っているかもしれない。別に才能じゃなくても良い。「やりたい」や「楽しい」でも良い。今までは体を動かせないことで気づかなかった、そうした「意欲」を引き出せたら、きっと素晴らしい。
【インクルーシブ・テック】
こんな風に、病気や障害のある人々の可能性を最大限に引き出すテクノロジーを「インクルーシブ・テック」と僕たちは呼んでいます。
例えば、ある人工呼吸器を付けて車椅子で移動する、高校生の女子がいます。彼女は音楽が大好きでした。
そんな彼女が(親御さんに秘密で)「涼音むい」という名前で、Vtuber /Vsingerとして活動を始めました。
これもインクルーシブ・テックの形だと思います。
インクルーシブ・テックを推し進める仲間としては、テクノツールさんがいらっしゃいます。
彼らは特殊なコントローラーを作られていて、指が一本しか動かなくてもパソコンやゲーム機を操作することができます。
彼らのコントローラーを使って、ドローンを飛ばすプロジェクトも行われていました。
【eスポーツはインクルーシブ・テックの入り口】
さっきのすみれちゃん。インクルーシブ・テックに触れたきっかけは、ゲームでした。楽しくゲームをするうちに、絵を描くことにトライするようになったそう。
今はLINEで文字を打つことだってできます。
そう、いくらテクノロジーがあっても、そこに「楽しさ」が無ければ、子どもたちはテクノロジーと友達にはなれません。
楽しさを与えてくれるゲーム(eスポーツ)は、インクルーシブ・テックの最高の入り口の一つなのです。
【ともに希望を創ってくれるパートナーを探しています】
これからフローレンスは、インクルーシブ・テックを世の中に広げていけるよう、頑張っていきます。
それは障害児者の人たちだけを幸せにすることではありません。
例えば、僕が高齢になって体が動かなくなっても、インクルーシブ・テックがあれば、こうやって記事を書くこともできるでしょうし、友達とLINEでコミュニケーションを取ることもできるし、ゲームで盛り上がることもできれば、短歌を作ってネットで発表することだってできる。
最期の時まで、人間らしく、人と繋がり、自分を表現することができます。
超高齢社会を迎える日本にとって、それは希望なのではないでしょうか。
そんな希望をフローレンスとともに作ってくださる企業や団体さんを募集しています。
今回のパラeスポーツフェスタは、セガサミーホールディングスさんが、TUNNEL TOKYOというめちゃくちゃかっこいい会場を提供してくださいました。
青い鳥財団さんは助成してくださいました。なかなかこういうイベントは資金的に厳しいので、本当に助かりました。
日本オラクルさん、PagerDutyさんは寄付してくださっただけでなく、社員ボランティアの方々が来てくださいました。
東京都作業療法士会さんは、作業療法士さんと学生の方々がボランティアで来てくださいましたし、テクノツールさんはフレックスコントローラーを貸してくださいました。デジリハさんは、デジタル×リハビリができるツールを提供くださいました。
どんな形でも構いません。ぜひ僕たちと一緒にインクルーシブ・テックを世の中に広め、病気でも障害でも高齢でも、どんな状態になっても幸せをつくれる、そんな心躍る社会を創っていきませんか?
このような事業活動は、みなさまからのご寄付に支えられています。
あたたかいご支援をよろしくお願いします!