フローレンスが訴え続けてきた「備蓄米の活用」を岸田総理が発言!総理、このまま「ベーシックライス」構想を実現してください
フローレンスが長年提案してきた内容が、ついに岸田総理の口から出ました!
10月25日、国会答弁の場で岸田総理から、「政府備蓄米の全国的な提供体制の整備を進める」との発言があったのです!※1
(食料安定供給に関する政府の緊急対応パッケージにも明記されています!※2)
フローレンスは何年も、こどもの貧困対策として、備蓄米のこども宅食団体への無償提供と提供量の拡大を訴えてきました。
(過去記事参照 https://www.komazaki.net/activity/2022/05/post12077/)
物価高騰で市民の生活が苦しくなる中、ようやく総理自ら「政府備蓄米の提供拡大を含めた、国民全員の食糧アクセスの確保」に言及したのです。
これは大きな成果です!!
「すべての貧困家庭のこどもたちが、ごはんにアクセスできる社会を作りたい。」
フローレンスではこれを、ベーシックインカムならぬ「ベーシックライス構想」と呼んでいます。
「ベーシックライス構想」を加速・実現するために、フローレンスは具体的に下記3点を提言します!
①0.02%しか使ってない備蓄米を提供してください!
日本では、9人に1人のこども、約200万人が貧困状態にあります。※3
全国では、”長期休みに給食がなくなり痩せるこども”や、”カップ麺や菓子パンを食事代わりにするこども”が続出。
そんな中、令和4年度にこども食堂やこども宅食等を通じ配布された備蓄米は、年間でたった167.7トン。※4
貧困状態にあるこどもたちに必要な米の量は年間約10.5万トンなので、圧倒的に足りていません!※5
備蓄米は100万トンあるので、167.7トンはわずか0.02%の活用率。
備蓄米の10%の量さえあれば、全ての貧困世帯のこどもたちに米を配れるのです。
だったらやるっきゃ無いでしょ!!
でも農林水産省は、「大量の備蓄米が無料で市場に放出されると、市場で流通しているお米の価格が下がってしまう」と心配しています。
だったら、市場からも買いましょう!
そうしたら、お米農家さんの応援にもなりますよね。
②全国の自治体・社会福祉協議会を活用してください!
現場では、作業する人が全然足りていません。
僕も備蓄米配布の現場を視察しますが、ボランティアさんなどが週末に朝早くから作業しています。
全国200万人規模を対象にするなら、体制が不安定な民間・NPO任せでは到底リーチできません。
全国には約1,700の自治体があります!
さらに、全国には1,800か所近い社会福祉協議会(社協)があり、市民に福祉サービスを行う体制を持っています。※6
どちらも全国各地で福祉サービスを行っており、まさに担い手としてぴったりなので、NPOとタッグを組んで配る作業をしていきましょう。
③郵便局という『既存の全国配送インフラ』を最大限活用し、送料を無料にしてください!
最後の障壁は、「配る作業が大変でお金がかかる」こと。
そこで今回、提言したいアイデアは「郵便局と組もう!」です。
郵便局は地域に根ざした人材や建物を持っているのに、活用しないのはもったいない!
政府の「郵便局を活用した地方活性化方策検討プロジェクトチーム」でもすでに、「『地域の埋もれたお困りごとの発掘と解決支援』を、国・自治体と郵便局が連携して推進すべき」と議論されています。※7
それぞれの強みを活かして、
①自治体や社協が、子育て世帯の生活困窮・食糧不足をキャッチし、お米支援便の利用希望を受け付け、
②農家や農業共同組合(JA)などがお米を準備し、
③郵便局員が、定期的にご家庭に届け、声をかけながら見守る。
福井県の越前市では、市・社協・JA・郵便局等が連携して、生活困窮者向けにお米を配布し、困りごとを見つけたら必要な支援に繋げるという、類似の取り組みが既に実施されています。※8
そして忘れてはならないのが、こども家庭庁や政府が、
「日本で、食事を3食満足に食べられない子どもの数を0にする」を必達目標にして、お米の購入費用や郵便局の配送費用の予算を組むこと!
総務省からも、全国の郵便局に対し一斉に、この取り組みで自治体やJAと連携するよう後押ししてください!
お米の国、日本だからこそできる、食のセーフティネットである「ベーシックライス構想」で、日本のこどもたちの「食の貧困」を終焉させましょう!
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【参考】
※1 【ノーカット】参議院・本会議 代表質問―― 政治ニュースライブアーカイブ[2023年10月25日]【国会ライブ中継】(日テレNEWS LIVE)38分29秒より関連内容の答弁
https://www.youtube.com/watch?v=X4cwZZH_bJM&t=2309s
※2 首相官邸「食料安定供給・農林水産業基盤強化に向けた緊急対応パッケージ」(2023年10月13日)
「フードバンク・子ども食堂等への未利用食品・政府備蓄米の供給などの地域ぐるみでの課題解決の取組への支援」
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/nousui/pdf/20231013_kibankyouka.pdf
※3 e-Statの0歳~17歳人口(2022年10月1日現在)へ、厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」における令和3年(2021年)のこどもの貧困率11.5%をかけ合わせて約200万人
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/index.html
※4 農林水産省「政府備蓄米の無償交付決定を行った団体等(令和4年度)」令和5年3月15日現在
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kokumotu/attach/pdf/bichikumai-1.pdf
※5 1人が1年間に消費する米の量(2021年度51.5kg)は、e-Statの食料需給表を参照
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500300&tstat=000001017950&cycle=8&year=20211&month=0&tclass1=000001032890&tclass2=000001203100&tclass3val=0
※6 地域福祉・ボランティア情報ネットワーク「社会福祉協議会(社協)とは」2023年10月30日アクセス
https://www.zcwvc.net/about/about.html
※7 総務省 郵便局を活用した地方活性化方策検討プロジェクトチーム(令和5年3月)「郵便局を活用した地方活性化方策(とりまとめ)」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000873710.pdf
※8 朝日新聞「生活困窮者の発見・支援にお米を 越前市などが募集」(2020年10月28日)
https://www.asahi.com/articles/ASNBW7JTTNBTPISC00W.html