【提言実現】「保育園の多機能化」を後押しするエポックメイキングな通知が出ました!
みなさん、「保育園の多機能化」って聞いたことあります?
基本的には保育しかしない保育園を「子どもと親のための包括的福祉拠点」として捉え直し、様々な機能を備えていこう!という動きです。
深刻な少子化と、子育て家庭の地域からの孤立。一向に減らない児童虐待。
これらの課題を前に、保育園が「在園児の保育」だけをしていればいい時代は終わりました。
そのポテンシャルを活かした、新たな役割を果たすことが求められてるんです!
【保育園はこども食堂に最適】
例えば、こども食堂!
過去ブログ(https://www.komazaki.net/activity/2023/05/post13275/)で詳しく解説していますが、保育園ってこども食堂やるのにぴったりなんです!
子どもが怪我などしにくい安全な環境ですし、
地域の親子にとっては物理的にも心理的にもアクセスがしやすい。
相談があれば保育のプロである保育士さんに話を聞いてもらえる。
そして元々調理設備を備えている!!
僕たちフローレンスは、この通知が出る前から自分たちの保育園で独自に「保育園こども食堂」を実施してたんですが、来てくれた親子からはたくさんの嬉しい感想をいただいています。
「妊娠中でご飯の用意がしんどかったので、大変助かりました。」
「みんなで同じ食事を食べる事ができ、家で2人で食事するよりも気持ちが軽くなった」
「親子食堂で同じ子供を持つもの同士関われるのが、本当にありがたいです。地域に自分の居場所があるっていう安心感という感じでしょうか。」
(利用者アンケートより)
保育園でこども食堂を開いて地域の親子に来てもらえば、保護者の負担軽減はもちろん、「孤独な子育て」解消にも繋がると確信しています!
【休日は「空気を預かっている」保育園】
保育園の活用機会は、こども食堂だけではありません!
日本の99%の保育園は、休日や日曜日は空気を預かってるんですよね。
預かる園児がいないから。
それってどう考えても勿体ない!!
夕方空いている部屋を小学生の居場所にしてもいいし、
夜は無料塾をやってるNPOに貸し出してもいい。
日曜日は園庭を地域の高齢者のゲートボールサークルに貸し出してもいい。
アイドリングしている保育園の空きスペースを地域に開放すれば、きっと活用機会はたくさんあるはず!
【立ちはだかる「目的外使用」の壁】
しかし、僕たち保育事業者が「保育園こども食堂」や「休日の保育園施設活用」をやりたいと思った時に立ちはだかる大きな壁がありました。
それが「目的外禁止規定」。
自治体によっては、「保育園を、在園児の保育以外のことに利用するのは、目的外使用にあたる!」と懸念を示すことがあるんです。
国は保育園をこども食堂等に使うことを禁じてないのに、自治体から渋られたり「調味料は園利用分とこども食堂分を分けて計上しろ」なんて非効率な運用を指示されることがあってなかなか進まなかった。
そこで、僕たちは国に対して、「保育所を活用したこども食堂などができるように発信してほしい。もっと保育園の多機能化を推進してほしい!」と提言してきました。
すると、小倉前大臣が今年5月にTwitterで、「保育所を活用したこども食堂」ができること、国から通知※も出していることを発信してくれました!
小倉前大臣、ありがとうございました!
https://x.com/masanobu_ogura/status/1658013805920817152?s=20
※通知「保育所等におけるインクルーシブ保育に関する留意事項等について」p.4
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/443408.pdf
【通知が出た!】
そしてこの度、更に力強く「保育園多機能化」を後押しする通知※が出たんです!
※通知「保育所等における子ども食堂等の地域づくりに資する取組の実施等について」
https://florence.or.jp/files/data/notice_kodomo_shokudou_20230911.pdf
今回の通知の大きなポイントは2点。
①施設の業務時間外・休日利用OKと明記されたこと
施設等の業務時間外や休日を利用し、本来の事業に支障を及ぼさない範囲で一時的に子ども食堂等の実施のために保育所等の設備を使用する場合のほか、 保育の提供時間内であっても、令和3年通知1(2)の整理に基づき、定員に空きがある場合において、保育所等の運営に支障を及ぼさない範囲で子ども食堂等の実施のために保育所等の設備を一時的に使用する場合には、一時使用に該当するものであり、財産処分の手続は不要となるため、令和3年通知1(4)で示した取扱いも踏まえ適切な手続を行うこと。
通知「保育所等における子ども食堂等の地域づくりに資する取組の実施等について」より
②消耗品費、水道光熱費を園利用分と分けて経理処理しなくてOKと明記されたこと
保育所等において子ども食堂等を実施する際の消耗品費、水道光熱費等の経費について、子ども食堂等の取組の規模が本来の事業に支障を及ぼさない範囲である場合にあっては、保育所等の運営と子ども食堂等の実施とを区分して経理することを要しない。
通知「保育所等における子ども食堂等の地域づくりに資する取組の実施等について」より
これで、自治体に反対されることも、煩雑な運用を求められることもなく、堂々とこども食堂などの実施ができますっ!!
現場の声に真摯に耳を傾け、こどもたちのために保育園多機能化を後押ししてくださった小倉前大臣、河野大臣、小林史明議員等、たくさんの議員さん、そしてこども家庭庁保育政策課長さん、本当にありがとうございます!
【保育園は地域のコミュニティのハブへ】
保育園=通園している親子のためのもの、っていう考え方、もう古いと僕は思います。
まだ保育園に通っていない未就園児も週一で来る。
保育園を卒業した小中学生も居場所や無料塾で来る。
地域の高齢者もボランティアや見守りで関わる。
地域住民みんなが色んな目的で活用できる「子どもと親のための包括的福祉拠点」へと多機能化すれば、保育園は子育て世帯と地域住民を繋ぐ「地域のコミュニティのハブ」になれると思うんです。
この考えに共感いただいた全国の保育園のみなさん、一緒に「保育園の多機能化」を広めていきましょう!
こうした提言活動ができることは、寄付者の皆さんのお陰です。
制度や政策を変える活動を応援したい人はぜひ、フローレンスのマンスリーサポーターになってください!
よろしくお願いします!