駒崎 弘樹 公式ブログ 提言・解説・アイディア

【都議会勉強会で提言】「東京都よ、男の子のHPVワクチン接種も公費助成して子宮頸がんを撲滅して!」

 

 

 9月11日、都民ファーストの会主催の「HPVワクチン勉強会」が開催されました。

 

 フローレンスも参加して「子宮頸がんを予防するために、東京都でHPVワクチンの男性接種公費化を実現してください!」と訴えてきました!

 

 

 勉強会を主催してくれた、都民ファーストの会の後藤なみ都議、尾島紘平都議、菅原直志都議、龍円あいり都議、滝田泰彦前都議、ありがとうございましたっ!!

 

 

【HPVワクチンを男性に打つことが重要!】

 

HPVっていうのは「ヒトパピローマウイルス」のことで、性交渉経験のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。

 

 

 HPV感染によって、毎年1万人の女性が子宮頸がんに罹患、約3000人が亡くなっています。近年若い女性の罹患が増えていて、子育て世代の母がこどもを残して亡くなる、出産を諦めるということが現実に起こっているんです。

 

 

 HPVの感染は性交渉によるものがほとんど。

 

 

 感染を予防するため、小学校6年から高校1年相当の女子を対象に、定期接種が行われています。

 

 

 でも、実は、大切なパートナーに感染させないように、男性もHPVワクチンを接種することが重要なんです!!

 

 

 男性に接種することには、たくさんのメリットがあります。

 

 

 例えば、HPV感染で引き起こされる病気(中咽頭がん、肛門がん、尖圭コンジローマ)を予防できます。

 

 

 しかも、中咽頭がんは、女性よりも男性の方が圧倒的にかかりやすい!
 2019年に中咽頭がんと診断されたのは男性が女性の2倍でした。
 ワクチンで防げるなら、絶対打ったほうが良いですよね。

 

 

(参考)2019年中咽頭がん診断数
合計23671例
┗男性16463例
┗女性7208例

出典:国立研究開発法人国立がん研究センター「がん情報サービス」https://ganjoho.jp/public/cancer/mesopharynx/index.html

 

 

【日本で男性のHPVワクチン接種が進まないのは「高すぎるから」】

 

 こんなにたくさんのメリットがあるなら、すぐにでもワクチンを打ちたい!
と、なるところですが、HPVワクチンの男性への接種は公費化されておらず、自腹です。

 

 

 1本2万円弱で、3回打たなければならず、合計6万円弱の出費!高すぎる!

 

 

 これじゃ接種が進むはずないですよね。(僕も打ちましたが、値段の高さに泣きました。注射の痛みではなく)

 

 

 

 

 一方で海外では、少なくとも39カ国で男性の接種が公費化されています。
男女の接種率が8割前後のオーストラリアでは子宮頸がんの数自体もめちゃくちゃ減ってきているんですよね。

 

 

 なぜ、世界でも公費化の流れが進んでいるのに、日本では男性の接種が自腹なんだ……。

 

 

 フローレンスのX(旧Twitter)でアンケートを取ってみたのですが、やっぱり接種の一番大きなハードルになってるのは「費用が高い」こと。

 

 

2023年2月17日~24日:認定NPO法人フローレンス公式X(旧Twitter)アンケートからの回答をもとに集計

 

 

 高額なワクチン接種費用は、児童扶養手当受給家庭やひとり親家庭では払えないし、このままでは、貧困層と富裕層の医療格差が広がるばかりです。

 

 

 そこで、フローレンスは、HPVワクチンの啓発活動に取り組む「みんパピ!」さん(https://minpapi.jp/)とともに、男女問わずHPVワクチンを接種することの必要性を訴えるアクション『男の子にもHPVワクチンを!』を実施。

 

 

 9~18歳の男の子にHPVワクチンの初回無料接種を行いました!
(参考記事:https://florence.or.jp/news/2023/03/post59501/

 

 

 

 

【HPVワクチンの男性接種公費化を提言】

 

 今回の勉強会には、フローレンスから、マーガレットこどもクリニック院長であり、『男の子にもHPVワクチンを!』アクションを主導してきた田中が参加。

 

 

 

 

 クリニックで実施した男性へのHPVワクチン初回接種無料キャンペーンの内容や反響について説明。

 

 

 

 

 男性へのHPVワクチン公費化により、男性の健康だけでなく、女性の健康などにも寄与することを説明。

 

 

 東京都でHPVワクチンの男性接種公費化を実現してほしい!と訴えました。

 

 

 

 

 勉強会には、「みんパピ!」の宋先生、稲葉先生、今西先生も参加。

 

 

 HPVに感染してしまったら、いつ子宮頸がんを発症するか分からないため3ヶ月に1回くらい受診しなければならず、精神的にも、金銭的にも、時間的にも負担がかかることなどを訴えていました。

 

 

【日本全国で男性のHPVワクチン接種公費化を!】

 

 日本でも、男性が接種することの重要性が認識されはじめ、青森県平川市、東京都中野区などいくつかの自治体で公費助成されています。

 

 

 徐々に広がってきていますが、一気に流れを加速させ、最終的には国全体に広げたい!

 

 

 先駆的な政策をたくさん実現している都議の皆さんが、積極的にこうした政策を前に進めてくれているのは、超追い風!!
東京都で事例が作られれば、国全体に広がる可能性がさらに高まります!

 

 

 今回の勉強会の中でも、「都議会としてどんな所をサポートすれば良いのでしょうか」と熱心に聞いてくださいました。

 

 

 男性のHPVワクチン接種公費化にむけて、前向きで力強い姿勢を示していただいたこと、本当にありがとうございます。

 

 

 こんなにもたくさんのメリットがあるHPVワクチンを、男性も気軽に打てる未来を目指して、僕たちもさらに頑張っていきます!

 

 

 こうしたアクションや、都議会への提言活動ができることは、寄付者の皆さんのお陰です。

 

 

 制度や政策を変える活動を応援したい人はぜひ、フローレンスのマンスリーサポーターになってください!

 

 

 よろしくお願いします!

 

 

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