【提言実現】善きサマリア人法で、食品ロスと子どもの貧困を救え!
やりましたー!!
フードバンクに食品を提供した食品メーカー等の事業者が、食中毒などの事故が起きた際に免責される仕組みが作られるらしい!
僕らも導入を要望してきた仕組みなので、嬉しいです!!
世界では「善きサマリア人法」なんて名前で根付いているこの制度。日本の食品ロス削減と困窮者支援のためにめちゃくちゃ有効な仕組みだと思うのですごく嬉しいっ!
提言を頑張ってきてよかった~!
【増えない食品寄付と、減らない食品ロス】
僕たちが運営する事業の一つである、「こども宅食」事業。
生活の厳しいご家庭に定期的に食品を届けながら親子を見守る取り組みなんですが、その中で日々頭を抱えているのが「どうやって食品を安定的に確保してくか」問題・・・。
特に米やスパゲティのような主食はひじょーーーに不足していて、企業の方に会うたびに「米は持ってないですか?」と聞くのが習慣になってしまってます。
その一方で。
日本では、毎日大量の食料が捨てられているのもまた事実です。
農林水産省・環境省・消費者庁が公表した令和3年度の日本の食品ロスの発生量は年間約523万トン。
この数字、毎日大型トラック(10トン車)約1,433台分※1 の食品を廃棄していることになるらしい・・・
そしてその中には、見た目の悪さなどを理由に安全に食べられるのに捨てられてしまう「規格外品」もたくさん含まれています。
捨てられている食品の1割でもうまくマッチングできれば、全国の7人に1人の子どもに対して、1年間ほぼ毎日給食一食分(※)の食品を届けることができるのに・・・!!
(※2022年の15歳未満人口1,450万人、学校給食の一食分の量を700gとして試算。)
【食品寄付が進まないワケ】
こども宅食やフードバンクなどの事業者は、日々色んな企業さんに、安全に食べられるのに捨ててしまうような食品の寄付をお願いしています。
しかし、全国のフードバンクの食品取扱量は4,000トン前後にとどまっており、なかなか増加していません…。
その最大のネックと言われているのが、食品事故が起きた時の責任問題!
農林水産省が公表している調査※2では、フードバンクへの支援意向がない企業(300社)が、今後支援していくために必要な条件について挙げた回答のトップは「トラブルが発生した場合の責任の所在があらかじめ明確化されること」でした。
たしかに、いくら支援したくても万一事故が起きたら企業とっては大打撃。
二の足を踏むのも分かります・・・
【「善きサマリア人法」って?】
そんな課題を解決するのが、今回の「善きサマリア人法」!
有名な聖書のたとえ話「善きサマリア人のたとえ」を由来とした「人を助けるために無償で良いことをしたときは、失敗しても罰せられない」という法律で、医療の分野でも話題になることがあります。
米国、カナダ、オーストラリアなどでは食品寄付においてこの法律が導入されており、「万が一食中毒のような食品事故が起きても、善意で食品寄付をした企業の責任は問わない」という免責を定めているんです!
これが日本にも導入されれば、企業の食品寄付のハードルはガクンと低減されるはずっ!
この読売新聞記事だと、対象がフードバンクに限定されちゃっているけど、きっと提言した僕たち「こども宅食」団体も、こども食堂団体も対象になってくれるはず!!(期待)
まずは大きな一歩、とても嬉しいです!
豊かだと思われがちな日本だけど、こどもの相対的貧困率は11.5%(2021年度)にものぼります※3。ひとり親世帯で見ると44・5%にのぼり、半数近くが困窮にあえぐ状況です※3。
明日食べるものがない、食料を必要としている子育て家庭はたくさんあるんです。
この法律で、捨てられちゃう食品がもっともっと多くの困っている人の元に届きますように。
フローレンスでは困っている親子のため、今後も提言活動を頑張っていきます!
※1 今日からできる!家庭でできる食品ロス削減 | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201303/4.html
※2 株式会社三菱総合研究所「平成21年度 フードバンク活動実態調査」(2010年2月)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/foodbank/pdf/data1.pdf
※3 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/index.html