駒崎 弘樹 公式ブログ 提言・解説・アイディア

「こどもの日」には、本気で子どもに向きあおう

 

 

今日は「こどもの日」。

 

 

ぼくたちフローレンスは、去年のこの日、日本を代表する子ども・子育て支援NPOである認定NPO法人D×P、認定NPO法人 しんぐるまざあず・ふぉーらむと一緒に「#こどもの日はこどもに寄付を」キャンペーンを行いました。キャンペーンでは、「こどもの日をきっかけに、社会で子どものことを本気で考えてほしい、そして寄付という形で行動を起こしてほしい」と訴えました。

 

 

こどもの日は、本来、こどもの健やかな成長や幸せを祈って、お祝いをする日。

 

 

でも、日本の子どもたちが置かれている環境は、本当に厳しい。

 

 

子どもにとって一番安全であるはずの家庭で、虐待で命を落とす子どもたちがいる。

 

 

子どもの7人に1人が相対的貧困状態にある。

 

 

 

相対的貧困というのは、その国の文化水準、生活水準と比較して困窮した状態を指します。着ているものや持ちものとかではわからない、いわゆる「見えない貧困」状態。

 

 

つまり、日本の子どもの7人に1人が、そういう「見えない貧困」状態にあって、周りの多くの人ができてることを自分は諦めなければならないことがあるってこと。

 

 

毎年、ゴールデンウィークには、各地で子ども向けのイベントが催され、家族連れで賑わってますよね。多くの子どもたちにとっては、普段できない経験をしたり、新しいことに挑戦したりする絶好の機会になるでしょう。

 

 

だけど、子どもの7人に1人は、そういった経験や挑戦の機会を貧困によって奪われています。それどころか、連休中は給食がなくて、いつもよりお腹をすかせているかもしれない。

 

 

ひとり親世帯で親がサービス業に従事していたら、休みでもどこに行く場所もなく、一人ぼっちで過ごしているかもしれない。

 

 

想像してみてください。

 

 

ゴールデンウィーク中どこにも行けなかった子どもが、休み明けの教室で、友達が旅行や遊園地の話で盛り上がっていたら、どんなに切ない気持ちになるか。いろんなことを諦めながら生活していくことが、どんなに苦しいことか。

 

 

 

 

しかも、この体験格差は子どものキモチだけの問題じゃないってことが、データにもはっきりと現れています。「自分だけできない」という諦めが続くと、「努力が報われる」という発想が持ちにくくなって、自己肯定感が下がってしまうんです。

 

 

自己肯定感は大事です。人間のやる気は自己肯定感から生まれるといってもいい。自己肯定感が高いと、失敗したって自己否定に陥らず「よし、次こそやってやるぞー!」って気にもなれるのです。

 

 

逆に、自己肯定感が低いと、「どうせ自分なんて」という気持ちになって、学力も下がってしまうという統計がでています。学力の差は、就学の差、所得の差を生み出し、そして、貧困の連鎖に繋がります。

 

 

 

 

 生まれた環境に、子どもたちの将来が左右されてしまうなんて、悲しすぎる・・・

 

 

 だから、ぼくたちは考えました。子どもたちの体験の機会を、社会で作ろう!と。

 

 これまでも、たくさんの企業さんと協働して、スポーツ観戦や音楽会、子ども向けイベントといった機会を子どもたちに届けてきました。

 

 

 そして、今年のこどもの日は、産経新聞社と協働して「こどもたちにつなごう!豊かな未来」というタイトルでイベントを開催しました。

 

 

 イベントでは、ぼくは子どもをとりまく日本の社会課題について話し、児童文学の専門家である川端有子先生に、児童書を通じて豊かな心を育む方法を教えていただきました。

 

 

 フローレンスは、産経新聞社と連携して児童書をフローレンスが支援しているひとり親家庭に配布することも計画しています。

 

 

 子どもたちにとって、本は豊かな心を育むのに欠かせません。もちろん、図書館で借りてくることもできるけど、自分だけの本を好きなときに好きなだけ開ける幸せって、子どもにとって特別なものだと思う。

 

 

 大好きな家族と一緒に、自分だけの本を開く。そんな時間が子どもたちにとって、幸せな思い出として残ってくれたら嬉しい。

 

 

 今日は「こどもの日」。

 

 

 子どもに本気で向き合ったら、子どもの貧困がこの国の深刻な課題になってることが見えてくるはずだ。

 

 

 すべての子どもが、家庭環境に左右されずに、やりたいことに挑戦して、豊かな心を育めることがあたりまえの社会を、ぼくたちは創っていきたい。

 

 

 ぜひフローレンスの活動に寄付で力を貸してください! 

 

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