【提言実現】フローレンスの悲願、「みんなの保育園」が実現へ!就労要件の緩和で、すべての家庭が保育園に通えるようになります!
みなさん!大・大・大ニュースです!
フローレンスが訴え続けてきた政策である、「すべての子どもを保育園に行けるようにする」みんなの保育園構想。
なんと、ついに実現しそうです!
これはマジですごすぎる!!
就労状況問わず保育所利用可能に 「異次元」少子化対策で 政府検討
1947年に保育制度が始まって以来、70年以上もの間ずーっと不可分のものとして存在し続けてきた「保育の必要性認定(就労要件)」。
この要件を緩和して共働き以外にも保育園を開くとは…保育の歴史を変える大転換が起きようとしています。
断言します。
これは確かに「異次元」です!
【フローレンス「みんなの保育園構想」のあゆみ】
フローレンスが「みんなの保育園」の提言に力を入れ始めたのは2021年。
保育園といえば、親が働いてないと入れないのが「当たり前」ですよね。
でも、専業主婦(夫)家庭の方が孤立しがちだし、虐待リスクも高い。
それに子どもにとって見ても、親の就労の有無によって多くのメリットがある集団保育を受けられるかどうかが決まるなんておかしな話じゃないですか。
だったらみんなが保育園に行けた方が良くない?って思ったんです。時代にそぐわない「当たり前」なんて変えてしまおうよ、と。
しかし!
意気揚々といろんな政治家や官僚の方々に提言しに行ったものの、「専業主婦(夫)家庭に保育園なんて必要ないでしょ」「空きも財源もないよ」って門前払いされる日々…。
専業主婦(夫)家庭だって、子どもを預けたいニーズはあるはずなのに!
僕らの経験と直感を裏付けるデータが欲しくて日本総研さんに調査をお願いしたところ、こんなことが分かりました。
これならみんなの保育園やるしかないじゃん!
そう思って政府に先駆けて、自社運営の園で、専業主婦世帯の子どもの定期保育を始めた。そしたら、利用した家庭から、次々に嬉しい声をもらった。
そんな声に後押しされ、さらなる提言を続けた結果・・・
国も「みんなの保育園」の重要性をわかってくれて、22年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2022」に載りました!
22年8月に公表されたこども家庭庁の令和5年度概算要求にも、「みんなの保育園」のモデル事業を実施する、という内容が入りました!
柴田先生によりみんなの保育園の効果が学術的にも裏付けされました!
そして昨日ついに、親の就労状況に関係なく保育園を利用できるよう政府が条件緩和の検討に入ったとの報道!
めちゃくちゃ嬉しいーっ!
【3つの課題】
ただ、この「みんなの保育園」を意味ある制度にするために、乗り越えないといけない課題はまだあります。
1)保育士の人員配置基準
以前こちらの記事でも紹介した通り、日本の保育士配置基準は世界基準から見ても異常な低さです。
保育の現場を過酷なものにしているこの「異常な配置基準」を改善しないと、保育士の負荷は高止まりしてしまいます。
就労要件とともに、検討中の保育士配置基準の見直しも実施し、現場の負荷改善と保育の質向上も実現させてください!
2)保育園への補助
無園児の受け入れに向けて要件を緩和したところで、きちんと補助を出さなければ保育園側としては運営できません。
実は、一時保育という制度がまさにそうした状態になっています。
一時保育は通院や冠婚葬祭等の時に一時的に預かってくれる制度ですが、保育園に支払われる補助額があまりに少ないがゆえに、手を挙げる保育園が少なく活用されていないのです。
形だけの制度にしないため、保育園が運営可能な水準の補助を出してください!
3)社会の無理解
就労要件の撤廃が視野に入ったいま、「みんなの保育園」実現に向けた最大の障壁は社会の無理解です。
「働いてないのだったら、親だけで子育てできて当たり前だ」「専業主婦(夫)なのに保育園に預けるなんて親の怠慢だ」と言うように社会の眼差しが冷たいままだと、利用したくても親は萎縮してしまいます。
先ほどご紹介した柴田先生の記事で紹介している通り、0~2歳児の保育利用は親にとっても子どもにとってもめちゃくちゃメリットが多いんですよ。
孤独な子育てと虐待リスクを防げるし、子どもの発達にも良い影響がある。出生率が 1.71 にまで上昇するという推計まで出ています※1。
そんなメリットだらけの取り組みを思い込みと偏見で阻まないよう、社会が変わらないといけないんです。
親が孤独な子育てで苦しむ社会から、未来を担う子どもたちをみんなで育てる社会に。
今こそ変えていきましょう!
※1 Fukai, Taiyo, “Childcare availability and fertility,” Journal of the Japanese and International Economies, 43. (2017)