駒崎 弘樹 公式ブログ 提言・解説・アイディア

総理官邸で加藤官房長官にコロナ禍の親子を救う策を提言しました!

 

昨日総理官邸で開催された「孤独・孤立に関するフォーラム」に出席し、「こども宅食」の迅速な全国導入のために、国から民間団体へ直接補助することの重要性を訴えました。

 

 「こども宅食」とは、各家庭が孤立化し、深刻な状況に陥る前に、食料品の配送を通して各家庭と積極的に関わり、何らかのリスクを見つけた場合に必要な支援につなげていく活動です。

 

 地域で孤立・孤独を抱える家庭は、既存の行政や民間のサービスにつながりにくく、その生活はコロナ禍で更に過酷なものになっています。今、こうした家庭とのつながりを創出するアウトリーチ(出前)型の支援事業である「こども宅食」の役割がますます重要になっています。

 

【自治体がボトルネックになって広がらない問題】

 

 国も「こども宅食」の重要性を認識し、令和2年度補正予算に、こども宅食団体等による家庭支援を補助する「支援対象児童等見守り強化事業」が入り、令和3年度も継続されているところです(記事参照

 しかし!この補助事業、なんと全国の自治体のたった4%でしか導入されていないんです。

 ※全国の1,724市区町村のうち、導入しているのは65のみ

 

 令和2年度は31億円、令和3年度は36億円も予算が付いていて、かつ、全額国が負担してくれるっていうのに、自治体で導入されないなんておかしいっ!せっかく困っている家庭を支援できる資金があるのに、自治体がボトルネックになって家庭に支援の手が届かないのは歯がゆすぎます。

 

 なぜそういうことになるかというと、理由は簡単で、自治体のキャパ不足

 

 ご存知のとおり、コロナ禍で、自治体は10万円の特別定額給付金の支給やら、ワクチン接種対応やらで大忙し。そんな中で、新しい事業のために実施要綱を作成したり、事業者募集をしたりする余裕などないわけです。

 また、この補助事業が来年度以降も継続されるかわからず、財源が不安定なことも、自治体が導入に踏み切れない一因になっています。

 

 

【提言①:国が民間団体に直接補助するルートを作ってください!】

 

 そこで、孤独・孤立フォーラムでは、この自治体ボトルネック問題を解消するために、「自治体を介さないルート(国が民間団体に直接補助するルート)の創設」を提言しました。

 

 「支援対象児童等見守り強化事業」は、通常の国の予算事業と同様に、国→自治体→民間団体等→家庭というルートですが、それに加えて、国→民間団体等→家庭というルートを作ってほしいというものです。これにより、複数の都道府県にネットワークがある民間団体等に国が直接委託すれば、広範囲の地域の家庭を支援できるようになります。 

 

 

【提言②:令和版「安心こども基金」を創設してください!】

 

 また、フォーラムでは、自治体が財源の不安なく事業導入に踏み出せるように、こども宅食以外の様々な親子支援政策が安定的に行われるように、複数年度に渡り継続的に使える財源として、令和版「安心子ども基金」の創設も提言しました。

 

 政府は、平成21年度に、待機児童解消のための保育所整備等を実施するために「安心子ども基金」を創設し、一定の効果を上げていますが、その令和版を作ってほしいというものです。

 

【全国の困っている家庭を「こども宅食」で支援しましょう!】

 

 「こども宅食」により、困っている家庭に少しでも早く見守りの目を届けるために、全国にスピーディーに「支援対象児童等見守り強化事業」が広がる必要があります。

 そのために、今回のフォーラムでの提言(①自治体を介さないルートの創設と②令和版「安心こども基金」の創設)が実現することを切に願っています。

 

つらい思いをしている親子が1人でも多く笑顔になるように、僕らも頑張りますので、みなさん、ご協力よろしくお願いしますっ!

 

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