3密を避けながら地域の親子のためにできることを。東京都豊島区で新しいこども宅食が誕生! こども宅食応援団が伴走支援します。
2020年6月、こども宅食応援団15例めの伴走支援が東京都豊島区でスタートしました。
運営するのは、東京都豊島区で8年以上前から先駆けて子ども食堂や無料学習支援などを行う、NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク。
「3密」を避けるために実施できなくなった子ども食堂に代わる食支援の一つとして、食品を配送する「宅食」型の支援を行うことになり、こども宅食応援団は資金助成やノウハウ提供などの伴走支援を行います。
豊島子どもWAKUWAKUネットワークとのご縁
NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークは、いまや全国に広がっているこども食堂のさきがけとなる「要町あさやけ子ども食堂」を2013年に始めました。
東京都江東区で実施されていた「わんがん子ども食堂」も、この要町あさやけ子ども食堂を参考にして立ち上がった子ども食堂の一つです。
ところが、わんがん子ども食堂では「本当に支援が必要な家庭に対して支援が届けられない」という課題にあたり、そこで生まれたのが自宅に直接食料品などを配送し繋がりをうむ「こども宅食」モデルでした。
その後、こども宅食応援団はこども宅食モデルを全国に広げるために活動を行い、この度、豊島子どもWAKUWAKUネットワークの伴走支援に至りました。
地域の親子のための活動が、めぐりめぐって再びつながったのです。
(左:こども宅食応援団代表理事 駒崎/右:豊島子どもWAKUWAKUネットワーク 栗林知絵子さん)
こうしたご縁もあり、今回豊島子どもWAKUWAKUネットワークさんの食品配送にお手伝いに行ってきました!
3密を避けながら188世帯の食品配送を実施!
雨の降る6月某日、豊島区内で6月度配送の準備が行われました。
豊島子どもWAKUWAKUネットワークの事務所では、室内も駐車場も配送する食品でいっぱい。お米、パスタ、レトルト食品、ゼリー、チョコレートなどの食品のダンボールが所狭しと積み上げられています。
これらの食品は、全て寄付で頂いたもの。こども宅食応援団からも、株式会社資生堂パーラー等から寄付いただいた食品を提供しています。
豊島子どもWAKUWAKUネットワークのスタッフやボランティアが集まり、食品をダンボールに詰めていきます。たくさんの食品はパズルのように隙間なく並び、ダンボールを溢れ出そうなほどになりました。
(梱包の様子)
この日の配送準備は40世帯分。今回で2回めの配送となるだけあってスムーズに作業は進み、あっという間、2時間程度で本日分の梱包が終わりました。
子ども食堂、無料学習支援、プレーパーク、シングルマザーの交流会を行う豊島子どもWAKUWAKUネットワークでは、一斉休校をうけて、緊急食支援「としまフードサポートプロジェクト」を2/28より実施してきたとのこと。
拠点で食品を無料で配布するフードパントリーを実施し、豊島区全域ののべ419世帯を支援し、5月からはフードパントリーに加えて配達業者と連携した宅食やお弁当の提供を行っています。
配送の確認メール等でのやり取りも併せ、様々な方法で400世帯以上の家庭に複合的な見守り支援を行っています。
山のように積まれていた食品も、400を超える世帯に十分な量をお届けするにはまだまだ足りず、食料と配送費用の確保が課題だ、と理事長の栗林さんは話していました。
6月から8月まで、こども宅食応援団の支援を受けて、食品の配送を実施します。
利用者からのメッセージ
食料提供を受けた親御さんからはこうした声を頂きました。
『とてもありがたいです。また利用条件も設定してくださっているので、困っている人から行き渡って助かっています。
ただ現実的に一時しのぎで明日からの生活も心配なため、定期的な開催を切実に願います。』
としまフードサポートプロジェクトは2020/2/28~4/5で実施していましたが、新型コロナウイルスの影響を鑑みて、2021年3月まで延長して実施されます。
外出自粛は解除されましたが、経済的に困窮する家庭の経済状況はひとたびに改善されるものではありません。一時的な支援ではなく、継続的な支え合いが求められています。
コロナ禍のなかでも切れ目ない支援を繋げるこども宅食
新型コロナウイルスによる一斉休校や一堂に会する場の自粛は、豊島子どもWAKUWAKUネットワークが行ってきた、子ども食堂や無料学習支援、プレーパークの実施、シングルマザーの交流会など、様々な取り組みを連携しながら行う「切れ目ない伴走支援」を途切れさせてしまう事態となりました。
しかし今回、ご自宅に食品を届ける「こども宅食」を行うことで、コロナ禍であっても切れ目ない支援を続けることができました。
こども宅食は、食品のお届けで親子の食を守るだけではなく、お届け時のご家庭の様子や会話から困りごとを見つけた時には、必要な支援につなぐなど、親子の見守り支援も行う事業です。
食品を継続的に送ることで繋がり続けることができるこども宅食は、まさに子ども食堂等の支援が行えない有事にも有効な手段となります。
「こども宅食」「子ども食堂」「フードパントリー」と、 様々な手法を組み合わせながら、アウトリーチしていくことで、その時々やその地域にあった親子の支援が実現できれば、より地域のセーフティネットは充実していくでしょう。
2017年文京区ではじまったこの取組は、こども宅食応援団が全国の立ち上げ支援、ノウハウ提供などの伴走支援を行い、現在は全国10地域16団体に広がりを見せています。
こども宅食応援団や全国のこども宅食実施団体には、利用を希望する問い合わせが殺到しており、経済的に困っているご家庭が日本中にいることを物語っています。
こども宅食を全国に広める活動は、皆さんからのご寄付に支えられています。
親子の食生活を支えるため、ご支援をお待ちしています。
▼親子のSOSが見落とされない社会をつくる。命をつなぐ「こども宅食」を全国に広げたい
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※「こども宅食」は商用利用や不適切な利用を防ぐために商標登録をしております。非営利利用に関しては、こども宅食応援団に御一報頂ければ、原則的には利用可能です。