1万人の皆さんの声が総理官邸に届きました!「屋外に出て運動を」
政府の一斉休校要請をうけ、フローレンスが先週3月6日(金)に開始した、一斉休校に関する緊急全国アンケート。全国約1万人もの子育て中の親御さんにご回答頂き、今週10日(火)に集計結果を発表しました。
さらに13日(金)には、萩生田文部科学大臣に、アンケート結果を直接お渡しし、校庭開放等の改善策の要望をお伝えしてきました。
面会について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
アンケートでは、休校措置で困っていること・心配なこととして「子どもの運動不足」や「子どものストレス・心のケア」など、子どもたちの肉体的・精神的負担を危惧する声が圧倒的に多くなり、日中の子どもの居場所・遊び場の提供が急務であることをお伝えしました。
面会中、校庭開放について「発信の仕方を一歩踏み込んでいきたい」とお話ししてくださった萩生田文部科学大臣。
なんと面会後、その日のうちに全国の各自治体・各学校施設に通達されるQ&Aが更新されました。子どもの外出、校庭開放についても明記されています。
文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 「新型コロナウイルス感染症対策のための小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における一斉臨時休業に関するQ&Aの送付について(3月 13 日時点)」より
・児童生徒の運動不足やストレスを解消するために運動の機会を確保することも大切であり、日常的な運動を安全な環境の下で行っていただきたい
・学校の校庭や体育館、公共スポーツ施設の開放を検討し、児童生徒の運動する機会を確保していただきたい
これは、「基本的に自宅で過ごすように」という当初の発信からかなり踏み込んだ内容です。
さらに、翌14日に行われた安倍内閣総理大臣記者会見では、首相自らがこの点に言及しています。
(会見より一部抜粋)
「スポーツジムやライブハウスなど、特定の場所では集団での感染が確認された事例が報告されています。その共通点は、第1に換気の悪い密閉空間であったこと。第2に人が密集していたこと。そして第3に、近距離での会話や発声が行われたこと。この3つの条件が同時に重なった場合です。この3つの条件が重なる場所は感染リスクが高い。そのことに最大限の警戒をしていただきたい。自らの身を守る行動を取っていただくよう、改めてお願いいたします。
言い換えれば、これら3つの条件が同時に重なるような場を避ける、もしくは、できるだけ同時に重ならないように対策を講じることで、感染のリスクを下げることが可能です。
この2週間、学校が休校となり、一日のほとんどを自宅で過ごしてきた児童生徒の皆さんも多いかもしれません。しかし、健康管理、ストレス解消のためにも、人が密集しないようにするなど、安全な環境の下、屋外に出て運動の機会も作ってください。」
▼会見の動画もご覧いただけます(9:15~休校について言及されています)
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0314kaiken.html
この一連の流れを受けて、さっそく全国の各市区町村の小学校で校庭開放の動きが広がっているようです!
アンケートを開始して、たった一週間。
約1万件の回答が集まり、文部科学大臣にその声が届き、首相が会見で子どもの屋外運動について明言し、各自治体が校庭開放などの改善に取り組み始めています。
こんなにスピーディーな提言が実現したのは、多くの皆さんがこの現状を変えたいと思い、アンケートで声を上げてくださったからに他なりません。
改めて、回答・拡散にご協力くださった保護者の皆さんが起こした大きなアクションに感謝いたします。
そして、子どもたちが少しでも運動不足を解消し、リフレッシュし、健康に過ごすこと、子どもたちに対する不寛容な言動がこれ以上生まれないことを願います。
なお、障害児家庭支援事業を運営するフローレンスでは、全国医療的ケア児社支援協議会の事務局を担当しています。
全国医療的ケア児者支援協議会では、医療的ケア児家庭を対象に「医療的ケア児 一斉休校に関する緊急全国アンケート」を実施し、日々のケアに使用する消毒液の不足や家事育児の負担が非常に重たいなどといった医療的ケア児家庭特有の困りごとを浮き彫りにしました。
非常事態下で“医療的ケア児”家庭に特化したニーズが浮き彫りに 「医療的ケア児一斉休校に関する緊急全国アンケート」調査結果公開
さらに、この結果を野田聖子衆議院議員と荒井聡衆議院議員に直接お渡しし、加藤厚生労働大臣に緊急支援要請書を提出。迅速に対応をいただき、医療的ケアに欠かせない消毒用エタノールを供給いただけることになりました。
こちらも、医療的ケア児を子育てする皆さんと共に成し得た、大きなアクションです。ご協力、本当にありがとうございました。
今回のアンケート実施においては、村上財団さんから調査費用をご支援いただきました。
フローレンスのこうした社会的アクションや政策提言活動は皆様からのご寄付によって支えられています。
わたしたち一団体では到底できないことでも、今回のアンケートのようにたくさんの人の思いが集まれば、こんなにも迅速に社会は変えることができます。
ぜひこれからもフローレンスの活動を応援してください。