【12月寄付月間】日本のこどもの7人に1人は貧困状態…命をつなぐ「こども宅食」3年目の挑戦
これまで10年以上、子育てに関連する様々な社会的な課題を解決するNPOを運営してきました。
内閣府の子ども・子育て会議委員や、厚労省のイクメンプロジェクトの座長なども務めています。
また、プライベートでは2人の子ども達の父親でもあります。
現在、日本の子どもは7人に1人が貧困状態と言われています。日本のこどもの貧困は、親も子も隠そうとするので、周囲からは見えない。だから「申請してくれたら相談に乗りますよ」という形だと、場合によっては行政の支援すらも届かない。
待ってるだけじゃダメだ。誰かが、何かの形で支援を届けにいかなきゃ。そして子ども達が抱える課題に、一刻も早く気づかないと。そう思ったのです。
相談窓口で待っているだけではなくて、自分たちから食べ物を届けにドアをノックしに行くことを通じて、つながりを創っていく事はできないか。
そう考え、我々はこれまでにない、子ども達のための新しいセーフティネットとなるべく「こども宅食」を運営しています。
「こども宅食」の運営資金は、すべてみなさまの寄付でまかなわれています。
昨年度は、ふるさと納税によって51,873,625円の温かいご支援をいただいたおかげで、現在約600世帯に向けて、2ヶ月に1回、食品を届けることができています。
来年度も事業を継続し「こども宅食」によって親子を助け続けるために、いま6,000万円を目標に、ふるさと納税を使ったクラウドファンディングに挑戦しています。
これまでの支援方法の課題
現在、多くのNPOなどが、生活の厳しい家庭のこども達を支援しています。
しかし「周りの目が気になるから」と生活に困っているというSOSを発せない家庭も多く、支援すべきこども達がどこにいるかわからないまま、暗闇の中で活動しているような状態です。
当たり前のことではありますが、どれほど素晴らしい支援も、必要とする人に届かないと意味がないんです。
そうした家庭を、唯一きちんと把握しているのが行政です。
しかし支援を受けるには、役所の書類を読み解き、平日に仕事を休んで窓口に行き、近所の人の目があるかもしれない中で申請する必要があります。
そこには極めて高いハードルがある、と言わざるを得ません。
こども宅食ってどんな事業?
定期的な食品のお届けをきっかけに親子とつながり、 見守りながら、食品以外の支援にもつなぎます。
カンタン申込みでご自宅に食品をお届け
こども宅食のご利用案内は、生活の厳しいひとり親家庭などの対象世帯宛に、役所から郵送されます。
申し込むと、2ヶ月に一度、お米・飲料・調味料・レトルト食品などがご自宅に宅配されます。
対象となる家庭全てに告知が行き渡る事や、申込みが簡単な事、周りの目を気にせず支援を受けられる事など、これまでの支援方法の課題を克服した新しいやり方です。
悩みを聞いて一緒に解決
実は「こども宅食」の一番の狙いは単なる食料支援ではないんです。
僕たちは、宅配時の親御さんとの会話や、LINE上で困りごと相談を受け付けるなどを通し、ご家庭の状況を継続して把握します。
そして危機的な状況に陥る前に、必要に応じて専門機関につなげる事や、様々なNPOからの支援の情報を届ける事などを通して、こども達が貧困の連鎖を抜け出せるよう根本的な支援を行います。
同じ仕組みを全国に広げる
この事業は2017年から文京区に住んでいる生活の厳しいひとり親家庭などを対象に実施し、小さな成功事例を作りました。そしてこれを全国に広げ、日本のこどもの貧困問題を解決するのが僕たちの目標です。
官民の力を結集して取り組んでいます
この事業は文京区と6つの団体により、各団体の強みを活かして共同で運営されています(文京区長へのインタビュー記事はこちら)。
ふるさと納税の仕組みとメリット
ふるさと納税は「いずれにせよ支払うことになる税金の一部について、手数料2,000円で、出身地に関係なく、好きな自治体に納め先を変更できる制度」と説明すると理解しやすいかと思います(詳細は総務省HPを参照)。
通常のクラウドファンディングと異なり、うまく活用すれば寄附者の負担額は2,000円のみにも関わらず、支援先には数万円~数十万円もの寄附ができるというメリットがあります。税金の使い道に、皆さんの意志を反映することができるんです。
「こども宅食」では、一般的なふるさと納税と異なり、返礼品のご用意はありません。しかしそのぶん集まった寄附金は全て「こども宅食」の運営に活用させていただきます。
なお進捗については公式HPでご報告しておりますのでご参照ください。
こども達の笑顔のために
3年目となる今年度は、さらに配送を充実させて食品等を届けていきます。「こども宅食」に、皆さんの力をぜひ貸してください。あなたのご支援で、子どもたちを救うことができます。
ぜひ、皆様の温かいご支援をお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。