NPOで働くことが、民間企業で働くのと同列で語られる時代へ。事務局スタッフの処遇改善を行いました!
総スタッフ数が600人を超えた認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎です。
フローレンスは保育を事業の柱としていることから、その保育現場で働くスタッフの処遇改善を第一に行ってきました。
保育者が安心して働ける環境でなければ、未来を担う子どもや、その親御さんを助けることはできないからです。
・長く安心して働ける障害児保育園を目指して。ヘレン保育スタッフの給与をアップします!(2018/06/12)
https://www.komazaki.net/activity/2018/06/post8208/・障害児保育の保育士さんの給与を、保育業界最高水準にしてみました(2018/8/30)
https://www.komazaki.net/activity/2018/08/post8691/・国から補助はもらえてないけど、病児保育スタッフの給与を業界最高水準にしてみました(2018/10/16)
https://www.komazaki.net/activity/2018/10/post8773/
こうして、経営的なリスクを覚悟しながら、現場スタッフの処遇改善を行っていった一方。
それぞれの現場が保育業務に専念できるよう環境を整え、その事業を推進していく150名近くの事務局スタッフもおろそかにはできません。
フローレンスが考える「報酬」のあり方
フローレンスでは、報酬を「ビジョンに紐づくやりがいのある仕事」「可処分時間」「適切な処遇(お金)」という3つの観点で捉え、スタッフが働きがいと働きやすさのある職場になるよう、改善してきました。
事務局スタッフに関しては、「ビジョンに紐づくやりがいのある仕事」「可処分時間」を軸に改善を図り、在宅勤務やフレックス制度など、「柔軟な働き方」の推進に力を入れてきました。
しかし、本部スタッフに関しても安心して働き続けるためには「適切な処遇」を随時見直す必要があります。
NPOで働く職員の給与を、民間企業と同レベルに
労働政策研究・研修機構の2015年度の調査によると、現在のNPO法人の給与水準における「正規職員」の年間給与額は、平均値で約260万円となり民間企業の給与との差が未だにある状況です。
参考:労働政策研究・研修機構の2015年度の調査
https://www.jil.go.jp/institute/research/2015/139.html
そこで、フローレンスでは目標給与水準を一般の民間企業に近づけるため、2017年度と2018年度は、本部スタッフの大幅な処遇改善を実施。
結果、平均給与水準の引き上げを実現しました!
全ての本部スタッフにおいて、平均年収の引き上げを行うことができました
処遇改善を行う際に決めた目標平均年収額を上回る金額を、全てのスタッフにおいて、支給することが決まりました。
また、無期雇用の本部スタッフの、基本給下限額の引き上げや、成果に応じた昇給額の増額を実施しました。
マネジメント職の手当額の一部引き上げを実施しました
これまで、スタッフの管理業務も伴うマネージャーやサブマネージャーと、一般のスタッフの給与差が少なく、役割と報酬にズレが生じ、昇格へのモチベーションが上がらない要因の一つになっていました。
そこで、マネージャーとサブマネージャーの基本給下限額および手当額の一部引き上げを実施しました。手当額の引き上げは、マネージャー上級、サブマネージャー上級・初級が対象です。
「スペシャリスト」の枠を増設しました。マネジメント職に就くだけがキャリアの磨き方ではありません
フローレンスでは、保育士や看護師の資格を持つスタッフや、WEBディレクターなど、様々なバックグラウンドを持ったスタッフが働いています。そういった、専門分野を持って働くスタッフを「スペシャリスト」として雇用しています。
2018年度、この枠に、「保育スーパーバイザー」と「一芸コース」を新設しました。
▼「保育スーパーバイザー」を新設
フローレンスでは、保育の質を上げるための専門職を「保育スーパーバイザー」とし雇用をしています。
保育スーパーバイザーは、保育現場の担任や看護師と連携し、保育プログラムの計画・作成をしたり、保育スタッフの育成や研修を行っています。
▼「一芸コース」を新設
従来の「スペシャリスト」の定義から外れていても、デザイナーや動画クリエイター、アナリストなど、経営に必要な特別なスキルや能力を持った人材を、1年更新で任用する制度を設置しました。
「一芸コース」の方には、それぞれの業務に見合った給与を支給します。
フローレンスが掲げるビジョン「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」の実現にコミットするため入社した仲間たちが、家族や個人のライフバランスを大切にしながら、社会問題の解决に全力を注げるよう、今後も各人の強みや成果を最大限評価していきます。
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