駒崎 弘樹 公式ブログ
ライフ・子育て
白米が体に悪いエビデンスが出てて全俺が涙目!「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」がスゴい
世の中には
「リコピンが体に良い!」
「赤ワインが老化を防ぐ!」のような「おもいっきりテレビ」的健康情報が跋扈していますよね?
でも、その大半が「N=俺」的な統計的に無意味だったり、自然派と名乗る宗教のイデオロギーに彩られたものだったり。
たまに栄養士や医師監修であっても、ユニークすぎる栄養士だったり、医師免許を更新制にしろという論拠になるような近◎誠的なお医者さんだったり、と魑魅魍魎の世界です。
そこで、「統計的にしっかりとしたエビデンスが出てる食事って何なの?」という野心的なテーマにチャレンジしたのが、本書「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」( https://amzn.to/2HpJAif )です。
【著者がすごい】
著者は元ハーバード、現UCLA助教授の津川友介医師。
彼は中室牧子先生と「原因と結果の経済学 データから真実を見抜く思考法」を書かれているような、「統計とエビデンスのプロ」であり、ネット上で怪しい健康情報を見つけてはエビデンスがないことを指摘する「トンデモバスターズ」です。
僕も個人的に日本やアメリカでもお会いしてお話ししたことがあるのですが、少し喋っただけで「頭良すぎて半端ない」ことが分かるんですね。ドラゴンボールで例えると、僕のスカウターがいきなり「ボンッ」って爆発するレベルです。
しかし、物腰が温和かつ、非常に丁寧に、誤解なく説明してくれて、「ああ、本当に賢い人っていうのは、驚くほど知に対して謙虚なんだな・・・」と目から鱗どころか魚介類がそのまま出てきそうになりました。
【「成分信仰」から脱する】
そんな津川先生のご著書なので、早速読んでみました。
こう見えても僕、健康にはむっちゃ気を使っているんです。
経営者はアスリートのように、常にコンディションを整えていかないと、タフな意思決定と多忙な仕事を乗り切ってはいけないからです。
タバコは敵。お酒もほぼノンアルコールビールのみ。食事記録アプリに食べたものを記録して、カロリー量や栄養素を測っています。運動もパーソナルトレーナーをつけ始めて継続的に筋トレしています。
そんな僕が、驚愕しました。
やばい、知らんかった・・・・!!!と。
まず、今は僕のように細かく、「今日はビタミン足りないな」「タンパク質をプロテインで補充しよう」等と「食品」を「成分の集合体」としてのみ捉え方は「栄養至上主義」(ニュートリショニズム)と呼ばれていること。
そしてこれは「成分信仰の落とし穴にはまってしまう」と批判されているというのです。
どういうことか。
例えば成分として考えると、果物は果糖を多く含んでいるので、太るために避けるように推奨されていたりするけれど、果物そのものは健康に良いわけです。
果物から果糖を抽出して摂取したら血糖値は上がるけど、果物を丸ごと食べれば血糖値はそれほど上がらないことも分かってきた、と。
つまり、成分よりも「食品」に着目するべきなんだ、と。
おい、俺の栄養成分記録アプリはなんだったんだ!とiPhoneをぶん投げてしまったわけです。
【白米は体に悪い】
さらにビックリしたのは、白米が糖尿病の発生率を上げてしまうということ。簡単に言うと、「体に悪い」と。
白米の摂取量が一杯増えるごとに、糖尿病になるリスクが11%増える、と。
・・・。
えっと・・・。
僕、刺身とか焼肉食べるのに、ご飯ないと食べられないタイプで、ほんとご飯大好きだったんですけど・・・(涙
しかも「ほどほどに食べれば良いよね」とか思ってたら、無情にも「少量でも体に悪い」とかバッサリあって、ああ、そうか・・・(遠い目)となったわけでした。
ただ、津川先生はこの著書の最初で「食べるな、と言っているわけではなく、食べるとこういうリスクがあることが分かっている、ということを踏まえて自分で考えてほしい」と言っているので、そこは原理主義的ではなく、リスクと幸福度の最適解を選んでいけば良いと解釈しました。
【何が体に良いか】
逆に体に良いというエビデンスが出ている食品は何かと言うと・・・。
あ、言うとネタバレになってしまう。
ぜひ皆さん、買って読んでみて下さい。
これ読むと、何も食べられなくなるじゃん、と思わないでください。
僕はむしろ、怪しい幾多の健康情報に惑わされずに、羅針盤を得た清々しい思いになりました。
そうか、そういうことだったのか、と。成分をチマチマ考えずに、基本的には◎◎とか△△等の食品主体にして、××とか食べなきゃ良いんだな、と。
そう言う意味で、これまでの「◎◎(成分)は体に良いっ!!(ドヤ)」っていう情報を、金輪際気にしないで済む、基本路線を手に入れられるという意味で、1500円は投資価値があるでしょう。
全国の健康が気になる皆さん。トンデモ栄養情報にうんざりしている皆さん。食べることが好きな皆さん。自信を持ってこの本をお勧めしたいと思います。
「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」