総理、日給400円アップじゃ、保育士さんは増えません
「保育園落ちた、日本死ね」を受けて、与党が懸命に待機児童対策をとりまとめて下さっています。
よく知っている議員の方々もチームメンバーにいるので、近くで様子を拝見していますが、どうも政府(厚労省)は保守的なよう。
保育士の給与4%増など 自公が緊急提言へ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160325/k10010455451000.html
保育士の給与4%増というのは、全産業平均月給よりも月額11万ほど低い約20万円/月の保育士給与を、8000円上げる、ということ。日給にすると400円。時給だと50円。
これで保育士不足が解消するとは、誰がどう考えても思えません。
基礎的なデータを抑えましょう。保育士有資格者は2014年で124.6万人。認可保育所の保育士数(常勤換算保育士数)は35.6万人。そして保育士資格を持っているけれど、保育士として働いていない潜在保育士は68万人と言われています。
また、これから不足する保育士数が7.4万人です。現在働いている保育士数の2割近くの人員が不足する、という未曾有の事態なのです。
しかし、潜在保育士68万人のうち、「条件がクリアされたら、保育士として働くことを希望するか?」を聞いたところ、なんと63%もの人が、「希望する」と答えています。
ということは、給与を上げれば、潜在保育士が現場に戻ってきて、この問題は解決するのです。シンプル。
しかし、日給400円アップじゃ、それも叶いません。このままいくと、保育士不足は解消できず、それがボトルネックになり保育園を増やせず、待機児童は激増し、「日本死ね」の怨嗟は更に日本中にこだますることになるでしょう。
もうここは、厚労省や財務省に任せていても、事態は前に進みません。官邸が英断を行うしかありません。総理、官房長官、日本の親子の未来は、あなたがたの二つの肩に、かかっているのです!
出典:保育士不足を考える 池本美香https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/jrireview/pdf/8162.pdf
*注)写真にたまたま高木美智代議員が映っていますが、彼女は公明党でもっとも子育て支援政策に熱心な方で、彼女が悪い、という趣旨ではありません。
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