駒崎 弘樹 公式ブログ 提言・解説・アイディア

◎要町あさやけ子ども食堂を視察して

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子どもの貧困問題解決に向けて、各地で民間NPOによる実践が始まっています。
その一つが、「子ども食堂」モデルです。
月に2回、地域のボランティアを主体に、皆でご飯を作って楽しく食べる、というシンプルなものですが、
ひとり親家庭や機能不全家庭の子ども達に伴走していく、優れた仕組みとして注目されています。
今回お邪魔して、一緒にご飯を食べてきました。
色々と示唆を得たので、備忘録的に書きなぐります。
・来ている子ども達は、ひとり親家庭や機能不全家庭に限らず、誰でも来られるそう。そうすることで、スティグマ化(「あそこに行く家庭は貧しい」等のレッテル貼り)を防げ、支援される側が参加することへのハードルを下げられる効果があるだろうと推測。
・運営主体である豊島子どもWAKUWAKUネットワークさんは、池袋本町公園プレイパークを10年以上続けてきた、地元に根付いたNPO。それゆえ、地域の人々とのネットワークが培われていて、そのネットワークとボランティアや関わる方々とが地続きで繋がっている印象。
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・WAKUWAKUさんは、子ども食堂以外にも、プレイパーク、無料学習室、「よるの児童館」というトワイライトステイ等を複合的に行うことで、子ども達の顔が見え、かつ点ではなく線として関わり続ける関係を形作っている。
・ボランティアの方々がご飯をつくり、食材も地域のスーパー等から物品寄付してもらえることもあり、限りなくコストセービングに行えるところがモデルとして優れている。一方、これ「だけ」だと、支援が点になる可能性があるので、学習支援や学童、一時預かりやトワイライトステイ等と繋いだりしていく必要性がある。
・WAKUWAKUさんのように自団体内で複合的に事業を抱えるか、あるいは他団体との密な連携によってそれを可能にするか、方式は幾つかあるだろう。
・一方で、社会福祉協議会や行政機関は、もっとこうした地域の実践と密に連携しなくてはならないにも関わらず、関与が薄い印象。子どもの貧困問題への首長のリーダーシップは非常に重要。
という感じでした。
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こうした実践の学びを踏まえ、フローレンスの運営する民間児童館/子育て支援施設「グロースリンクかちどき」でも、こども食堂を始められたらな、と思っています。
勝ちどきのある中央区は、タワーマンション等が立ち並ぶ再開発地域がある一方で、月島等には公営住宅も多々あり、課題を抱えた家庭も一定数ありますが、行政支援は制度間の分断によって届かなくなりがちです。地域の諸機関と連携しながら、厳しい環境にある子ども達をも育める地域づくりをしていきたいと思います。
素晴らしい実践を行っている、豊島子どもWAKUWAKUネットワーク( http://toshimawakuwaku.com/ )さん、ありがとうございました!
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