支払い、売上の月次速報を翌月の1営業日に集計し、経営陣に報告する!という快挙をフローレンスの経理チームが成し遂げました!!
「経理の月次の速報を翌月の1営業日に出して欲しい」
2年前、経営陣から経理チームに出された要望です。
経営陣の要望を叶えようと、経理チームは速報にチャレンジしましたが、その当時の業務フローでは、月次を出すのに一ヶ月かかっていたため、その要望は、あまりにも無理な難題でした。
「今の業務フローでは1営業日に出すのは無理だ・・・」
そして、2年経過した2014年の10月。クラウド型のCRM(顧客管理)ソフトの「Salesforce」を使用し、月次速報1日を経理チームが実現!
月次速報1日を実現するまでの経緯や業務手順、これからの課題などについて、フローレンスの宮崎事務局長と経理チームの木村、成井にインタビューしました!
◎月次速報1日へのきっかけ
Q. 月次速報1日を実施しようと思ったきっかけを教えてください。
A.宮崎事務局長
経営的な意思決定がワンテンポ遅れてしまうという危機感をもっていました。
事業が拡大するにつれて、ウォッチすべき経営指標が増えてきました。それまではシンプルだった指標の管理ですが、スタッフの増加や、業務の多様化により、正しい数値の把握までに時間がかかるケースが散見されるようになりました。
そこで、今のうちに仕組みを導入しておきたいと考えました。
Q.どのようなことを経理チームに要望しましたか?
A.宮崎事務局長
「月次速報を翌月1日で出せる仕組みを創ってください」とお願いしました。
案の定ものすごく反発されたのですが、ここだけの話、私もこの状況で「1日は無理だろう」と思っていました(笑)
でも、大きなリスクであることを伝えたくて、象徴的に「1日」と言ってみたところ、なんと実現してしまったので驚いています。みなさんの頑張りに脱帽です。
Q.一番はじめに速報を出す要望が経理チームに出されたときの状況について、教えてください。
A.木村
フローレンスでは当時、会計ソフトの入力自体を顧問税理士にアウトソーシングしていました。
経理チームの各集計の後に、会計ソフト入力をしてもらっていたため、月次決算を出すのに1ヶ月かかっていました。
また、フローレンスの成長に伴い、顧問税理士の入力業務も増大していました。
Q.「月次速報1日」という要望を聞いたとき、どう思いましたか?
A.木村
絶対無理だと思いながら当時の業務フローのままチャレンジしてみたところ、5日でも無理でした。
◎業務改善
Q.月次速報1日の実現にあたって、最初にに実施したことはなんですか?
A.木村
大きく分けて①経理を内製化することと、②社内帳票のシステム化(会計ソフトへのデータ連携・ネットバンキングへのデータ連携)を考えました。
特に、社員がどんどん増えて行く中で毎月の経費精算処理やその他も含めた振込業務が膨大になっており、一括で計上できる仕組み、振り込める仕組みを考えました。
Q.新しい業務フロー導入までどれくらいかかりましたか?苦労したことはなんですか?
A. 成井
設計開始から約半年で、まずは立替経費精算の新フロー導入にこぎつけ、全ての導入が終わったのはそこからさらに9ヶ月後でした。
実際に導入してみるまでスタッフの細かい運用が想像つかず、細かく決めずに導入してしまったため、「これはどうやって印刷するの?」「エビデンスはどうやって貼るの?」などみんなからの質問が殺到してしまい、汗をかきながら対応し乗り切りました。
現状フローのままシステム化するだけではなく、本当に必要なものを取捨選択し業務を整理しながら進めていったので大変でした。業務を整理するために、会計処理上で守るべきポイントを顧問税理士に相談し、システムチームと要件を詰めながら進めていきました。また、システムを介さない部分についても抜け漏れなく手で仕訳を起こす必要があるため、手作業の部分は切り分けて検討しました。
◎運用開始
Q.新しい業務フロー導入は、どのような手順で実施しましたか?
A. 成井
数が多くて工数がかかっているものを優先して、立替経費精算を真っ先に導入し、次に支払い、売上、仮払/出張精算の順に導入していきました。
まずは、帳票としてこれまでと同じように処理できることを最低条件に運用開始し、手で仕訳しながらシステムの修正を繰り返して、データ連携を進めていきました。
会計ソフトへの取込では、何度も何度も出るエラーに手修正を繰り返して、やっと取り込めた!!と感動したことを覚えています。また、ネットバンキングに初めて振込データを一括で取り込み振込処理を行った時も感動的でした。
経理内製化は段階的に行っていき、最終トライアルの8月9月を顧問税理士にチェックしていただいて完了となりました。
Q.新しい業務フロー導入から速報一日を出すまでにポイントになったことはなんですか?
A. 木村
経理を内製化したこと(会計ソフトを社内で入力)、会計ソフトへデータ連携するシステムを作ったこと、支払いを月末から25日に変更したことです。
◎新旧の業務フローの違い
・従来の業務フローでの立替経費申請の様式。
各スタッフがExcelに経費を入力し、印刷した紙を顧問税理士が会計ソフトに手入力していた。
・新しい業務フロー導入後のSalesforceの会計連携データ。
各スタッフがSalesforceに経費を入力。
Salesforce内で変換された会計連携データを出力し、経理チームが会計ソフトに直接インポートする。
◎月次速報1日が実現!
Q.紆余曲折を経て、2014年10月に月次速報1日が実現できたときの感想をどうぞ!
A.木村
かなり苦労したので、やっと、やっとできた~という感じで腰が抜けそうでした。社内の他のメンバーには見えないバックオフィス作業であるため、この感動や苦労がなかなか伝わらず、経理チームで小さく喜び合いました。
Q.月次速報1日について経理チーム以外の声はいかがでしたか?
A. 成井
顧問税理士より、お褒めの言葉をいただきました。
「会計処理内製化が予想以上に完成度が高いもので安心しました。点検していても、初回からよくぞここまで!と驚きを隠せませんでした。経理チームのお二人は裏で相当試行錯誤されていたに違いありませんが、その甲斐あって、持続可能なシステムが完成したのではないでしょうか。」
Q.月
次速報一日が達成できたときの成果はなんですか?
A.宮崎事務局長
事業の変化にいち早く気付くことができ、経営の意思決定スピードがあがることです。
◎今後の課題
Q.月次速報1日という快挙を成し遂げた経理チームですが、今後の課題はなんでしょうか?
A. 成井
精度(捕捉率)は十分と宮崎事務局長より言われており、今後の課題は「安定的な運用」だと思っています。そのために、マニュアルの整備と、速報を十分に活用できる仕組みづくりを進めていきます。
Q.今後、経理チームの業務にどのようなことを期待しますか?
A.宮崎事務局長
拡大する組織の縁の下の力持ちとして、仕組みを創り、磨き上げ続けてほしいです。
Q.最後に一言どうぞ!
A. 木村・成井
フローレンスの現状を考えると、あの時点で経理内製化に踏み切っていなければ業務が回らず今頃大変なことになっていたと思います。また、扱う金額も大きくなっているので、一ヶ月後にしか月次の数字がわからないのも大きなリスクだったと思います。長くてつらい道のりでしたが、がんばって完成させてよかったと心から思います。
どうもありがとうございました!
月次速報1日の実現により、フローレンスのPDCAをさらに早く回すことが可能になり、親子の笑顔をさまたげる社会問題の解決スピードもさらにアップすることが出来ます!
月次速報1営業日の実現について、もっと突っ込んだことが聞きたい!
という方は、フローレンスのお問い合わせページよりご連絡ください。
フローレンスでは、月次速報1日のノウハウが、他団体でも活用され、より良い社会の実現が進んでいくことを望んでいます!
今後のフローレンスに是非、ご期待ください!