駒崎 弘樹 公式ブログ
提言・解説・アイディア
障害児の親御さん達の声
先日、政策提言に生かすべく、大田区の知的障害児の親のサポートグループの方々に、ヒアリングを行いました。
乳幼児期は子どもと二人っきりでどこにも行けなかったり、保育園は就労していないので入れず、幼稚園は体制が整っていないことから断られたり、と苦難の連続。
子どもが就学期になって以降は、将来の就労や、親が亡くなった後の子どもの生活について不安を抱えていらっしゃるとのこと。
皆さんが口を揃えて仰っていて印象的だったのは、乳幼児期に誰にも預けることができず、強い孤立感に追い詰められたそうです。
初めて障害児施設に連れていった時に、職員の方が笑顔で腕を広げて「○○くん、待ってたよ」と言ってくれた時に、心から安心した、という話には、思わず涙が出そうになりました。
また、夜には発達障害児を育てるシングルマザーの方にもお話を聞きました。
彼女からは自治体の相談機関がそれぞれ情報共有をしておらず、毎回最初から説明しなければならないことに疲労感を感じていること。そして子ども家庭支援センターに相談したところ「親の愛情が足りない」と言われ号泣したという話を聞き、怒りを覚えました。
政策への要望として、療育履歴などを保存できる、障害児版母子手帳。また夕食準備時間に、親に代わって学校からの配布物の確認や宿題のチェック、翌日の準備等のオーガナイズを自宅に来て行ってくれる生活支援の必要性を訴えていらっしゃいました。
現在子ども子育て会議において議論している、子ども子育て支援法の中には、「居宅訪問型保育」という枠組みが作られる予定です。この「居宅訪問型保育」は中身がまだ全然決められていないのですが、これを障害児保育に活用できるように制度設計し、かつ障害児の場合年齢基準を中学生まで引き上げられれば、生活支援にも活用できるのではないか、と閃きました。
早速子ども子育て会議で、提案してみたいと思います。また、サポートグループの皆さんが仰っていたことに鑑み、自閉症や知的障害児を含めた障害児の保育所受け入れが進むよう、小規模認可保育所で加配が受けられることを提案していきたいと思います。
せっかく頂いた政策提言の場。無駄に終わらせることなく、官僚の方々に多少面倒臭がられようと、現場で困っている人々に1ミリでも制度が近づくよう、精一杯食いついていきたいと思います。
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