子どもを地域のモンスタークレーマーから守る法律がそろそろ必要
朝日新聞土曜版の「子どもの声は我慢すべきですか?」特集にて取材頂きました。
記者さんにも申し上げたのですが、昨今の子どもの声をめぐる問題は、日本人のモラルの問題に回収されていますが、そうではありません。
現場では既に子どもの命に関わる治安問題になっています。
例えば私たちの運営するおうち保育園では、付近の高齢者が「子どもは親が見るべきだ」と突然侵入してくる事件がありました。これはまだ軽度で、中央区で運営する子育て支援施設には、パイプ椅子を振り回しながら中年男性が怒鳴りこんできた事案も発生しています。
識者は「コミュニティの解体によって、孤立した高齢者や独身者が子どもたちの声を騒音とみなすようになった。そういった人たちも社会的に包摂していく必要がある。」と仰ります。確かに中長期的には、そういった取り組みもしていくべきでしょう。しかし、短期的には今まさにパイプ椅子を持って怒鳴りこんでくるような人々から、子どもたちを守ることが先でしょう。
現状では、そうしたモンスタークレーマーに関して警察に話しても、「ご近所同士、何とか上手くやって下さい」で終わります。傷害未遂事件であってもおかしくないのに、です。
ドイツでは子どもたちに関わる施設における声や音は騒音とは見なさない、という法改正を行いました。日本でも同様の法律をつくり、理不尽なモンスタークレーマーから子どもたちを守る政策が求められています。
でなければ遅かれ早かれ、保育園に包丁を持った近所の大人が「うるさい」と叫びながら子どもたちの目の前に現れる、というニュースを、我々は新聞で見かけることになるのではないかと、深刻に危惧しています。
メディアの皆さん、「子どもの声を我慢するかどうか」なんて投票している場合ではないのです。我々の未来をむきだしの狂気から守るためには何をするべきなのか、ぜひ海外先行事例を含めて報道頂けますと幸いです。
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当記事はNPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹の個人的な著述です。
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