駒崎 弘樹 公式ブログ 旧ブログ記事

僕が出会ったまともな政治家たち


「日本の政治家は終わっている。」多くの人はそう思っています。果たして本当でしょうか。


少なくとも、僕は実際に会い、話してみて、意外な程まともな人は多い、という風に思っています。
今回はそういう人々(現職衆議院議員)を個人的に紹介したいと思っています。投票しろ、なんて一言も言っていませんよ。個人的な思い出をまとめるだけです。
※実際にお会いして話したことのある人だけなので、他にまともな政治家がいない、ということはありません。
◎民主党
岸本周平氏(和歌山県選出)
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ほとんどメディアでは報道されていませんが、昨年世界で最も寄付のしやすい制度がひっそりと成立しました。改正NPO法と新寄付税制です。寄付をしたら約50%が、自分の所得税から抜ける、すなわち半分返ってくる、という寄付大国アメリカ以上の制度を勝ち得たのは、NPOと市民の力を信じる議員連盟の力が要因でした。
その議員連盟の民主党側の中心人物が、和歌山選出の岸本周平氏。元大蔵官僚でもあるので、官僚の使い方を、よく心得ています。
なんというか政治家っぽくなく、気さくなおっちゃんなところが好きです。
辻元清美氏(大阪府選出)
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毀誉褒貶あって、すごくガミガミしてそうな人、というイメージがあったのですが、会ってみると全くキャラが違くて、非常に落ち着いた、苦労人の渋みが出ている人でした。
一度新宿のロフトプラスワンでトークイベントをご一緒した時、右翼に囲まれてあわや、という騒然とした時に、右翼の兄ちゃん数人に囲まれても動じず、切々と数十分かけて説得し、最終的に右翼も納得し帰っていったのでした。
僕はその時に、政治家の覚悟というか、逃げないど根性を見、心底敬意を感じました。
ちなみに僕は右翼にタンカを切った関係で、案の定囲まれてもみ合いになり、ほうほうの体で脱出する、ということになりましたが・・・。
古川元久氏(愛知県選出)
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賢い元官僚の人、というイメージでしたが、実はTable for Two という食料支援NPOを立ちあげてたり、という熱い人です。彼なくして、休眠口座をマイクロファイナンスに活用して新しいセーフティネットを創ろう、というプランは政府決定しなかったでしょう。
クールヘッドとウォームハートを兼ね備える人です。
泉健太氏(京都府選出)
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超ナイスガイです。普通に、部活によくいる面倒見の良い先輩みたいなノリです。
優しいので、押しが弱く、テレビの論戦とかではあんまり勝ってるところを見たことない感じの人です。
戸籍のない子どもたちが行政サービスから阻害されているのを、国会で指摘したり、児童虐待防止を強化する法律つくったり、人柄が出る政治活動をされています。
小宮山洋子氏(東京都選出)
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さすが大臣やっているだけあって、子育て支援とかめっちゃ詳しい&すごいやる気でした。大臣とか、ハンコ押してるだけなんじゃないの、くらいに思っていたのですが、全くそんなことなく、バシバシ自分の意見を伝え、何とか子育て支援を強化しよう、と躍起になられていました。その結果、子どもへの公的支出増額1兆円を成し遂げた、凄腕。
話すと肝っ玉母ちゃんで、ご自身の子育ての苦労もるる語られる一面もお持ちです。
田嶋要氏(千葉県選出)
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上司にしたいような、穏やかで包容力のある人。震災後は被災地のために駆けずり回って頑張られていて、被災地支援をやっているNPOとしては、感謝の念に絶えないです。
◎自民党
小泉進次郎氏(神奈川県選出)
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将来総理大臣になってほしい人をあげろ、と言われると彼をあげたいです。
言葉では表せない卓越したコミュニケーション能力に、完全に打ちのめされました。
彼が話してくれた父親との挿話が今でも胸に残ります。
「僕の父を決断力がある一方、冷酷な政治家と思われているかもしれませんが、僕が小さい頃、国会の激務の中、僕と兄とキャッチボールをするためだけのために、国会から横須賀まで帰ってきてくれたんですよ。そして終わったらすぐに背広を来て車に乗り込んで去っていく父の後ろ姿を、今でも覚えています。」
不覚にも泣きそうになりました。
菅義偉氏(神奈川県選出)
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職位の高い政治家でありがちなのは、若かったりNPOだったりすると、あからさまに偉い感じで接してくる人が多いのですが、全くそういうことがなかった人。なおかつ、「適当に耳障りの良いことを言って帰そう」的コミュニケーションを一切とらず、できることはできる、できないことはできない、とはっきりきっぱり言う姿勢に、凄みを感じました。
逢沢一郎氏(岡山県選出)
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改正NPO法+新寄付税制ができたのは、自民党で彼と加藤紘一氏がいてくれたお陰です。
冗談の好きな良いおじさん、という感じの人で、国会の強面キャラは仕事の顔のようです。Twitterもやられていて、若者とも気さくに対話する面も持っている、一緒にお酒飲むと楽しいタイプの人です。
塩崎恭久氏(愛媛県選出)
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シャープな経済通の印象がありますが、僕の知人の障害児支援NPO(自分の選挙区ではない)という全く関係ない、メリットもない相手のために、粉骨砕身するという一面のある人。
ぱっと見、気難しそうなイメージを持っていましたが、その実、冗談好きで、気さくなタイプの人です。
小渕優子氏(群馬県選出)
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自民党の中では、数少ない子育て支援全力投球派。ご自身が母親ということもあって、「普通の人達が感じるニーズ」を、普通に分かる、という意味でも、高齢者非子育て経験者がマジョリティの国会の中では貴重な存在。
人柄はユーモアとウィットのある方で、そして裏表の無い素直な人です。
西村康稔氏(兵庫県選出)
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Twitterもやっていて「駒崎さんフォローしていますよ!」なんていうフットワークの軽さもあり、若者を応援しよう!という気概に溢れた人です。
加藤紘一氏(山形選出)
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非常に失礼な言い方ですが、「むちゃくちゃ良いおじいちゃん」な人です。長い政治家人生、加藤の乱を始め、切った張ったの血みどろの世界にいらっしゃったと思うのですが、話すとそういう険しさは一切感じさせず、優しい気持ちになってしまう人です。
若者に対しても決して偉ぶらず、弱い人への目線を持ち、更に国際的な感覚も持ち合わせていて、僕の自民党のエライ人のイメージを一新してくれました。
NPO議連は、彼が中心になってやってきてくれて、それがゆえにNPO法も成り立ったわけで、全国のNPOは彼に足を向けて寝られないと思います。
◎公明党
高木美智代氏(東京都江東区選出)
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今年の国会で、待機児童対策を大幅に前進させる「子ども・子育て支援法」というのが奇跡的に通ったのですが、その立役者は彼女でした。
最初お会いした時には、宗教政党でもあるので、狂信的な人が出てきたらどうしよう、とびくびくしていたのですが、全くそんなことはなく、至極常識的で穏やかな人だったので、自分の無知が気恥ずかしくなりました。
更に、彼女は子育て支援の現場という現場を見まくり、ものすごい詳しくて、「政治家なんて多分この程度しか知らないだろう」と高をくくっていた僕は、びっくりしました。
その後公明党の議員の人と会うと、皆福祉については相当勉強されていて、議員を鍛える仕組みができているのに驚きました。つまり、学会員の集まりに顔を出し、アレはどうなっている、これはどうなっている、と突かれまくる、というようなシステムになっているらしく、そうするとどうしても勉強せざるを得なくなるわけですね。しかも得票数はある程度安定しているので、使い捨てられることなく、ノウハウが蓄積する、という。
こういう「政治家を育てる仕組み」を一部の政治コミュニティだけに留めておかないで、日本全体でやればすごく日本の政治がバージョンアップするのに、、、と非常に勉強になる経験をさせてもらいました。
◎みんなの党
柿沢未途氏(東京都江東区選出)
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血気盛んなあんちゃんです。国会でも質問数が一番で、頑張っています。
人生色々とつまづき、苦労してきながらも、頑張って政治家やって何とか良くしていこう、というひたむきな感じに非常に共感しています。
彼のように無骨に頑張る若者政治家が増えると、色々と永田町の雰囲気も変わっていくように思います。
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今回は現職衆議院議員の方のみですが、参議院議員でも首長でも、実際に話してみるとまともな人はかなりいて、僕たちは彼らを応援したり反論したりしながら、中長期的には(こういう言い方は不遜かもしれませんが)「育てていく」という姿勢が必要なのではないかな、と思います。
テレビを見てしょうもなさそうだから、イメージで使い捨てていく、というような政治への態度は、そろそろ辞めませんか?



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当記事はNPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹の個人的な著述です。
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