駒崎 弘樹 公式ブログ 旧ブログ記事

わが町をハックする


前回のエントリーで地元の市長にメールしてみたところ、こんな感じで返ってきました。

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駒崎弘樹 様
日頃より、市政へのご理解とご協力をいただき感謝申し上げます。
また、この度は貴重なご意見を賜り、ありがとうございます。
路上喫煙禁止地区内における注意喚起につきましては、禁止地区内
に啓発のためのフラッグや路面シールの設置を行なっています。
また毎日朝と夕方の一定時間、禁止地区内での巡回パトロールも実
施しております。
日常的に喫煙者を見かけるというこの度のご指摘につきましては、
速やかにパトロールの指導員に伝え、指導を徹底させるよう努めて
まいります。
今後ともご理解とご協力の程、よろしくお願いいたします。
平成24年9月7日
川口市長 岡村幸四郎
なお、この件の詳細に関しましては、廃棄物対策課までお問い合わ
せくださいますようお願いいたします。
(電話番号 048-228-5370)
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ということで、パトロールの指導員に伝え、指導を徹底してくれるそうです。
とはいえ問題は、その指導員とやらをほとんど見かけたことがない、ということなのですが・・・。
まだ砲撃の数が足りてないようです。
このように、せっかく定めた条例が、運営に失敗していて機能していない、という事態はよく見られます。プログラミングしてサービスローンチしたけど、至るところ不具合ばかり、みたいな状況ですね。
で、プログラムだったら不具合出ても、その度に修正したりパッチをあてたりして、機能させれば良いのですが、政策の場合は、「不具合出ている」というフィードバックがそもそも上がってこない、ということでデバッグの機会を失っている、ということが多々あります。
自治体の政策の場合、バグの検収役は市議会議員で、彼らがどこどこに不具合があるよ、というのを市民から吸い上げて、行政に不具合修正を依頼するわけですが、市議会議員が町の名士のためのお飾り勲章でしかない場合が多く、そういう場合は検収が機能しません。
また、たとえ議員にやる気があったとしても、市民が市議会議員に相談したり、「これバグですよ」と伝えたり、という回路がない場合は非常に多いです。(本当はメール出すだけで良いのだけど。)
だから、エンドユーザーである市民が、実際にコーディングしている行政に「バグだよ」と伝えていくのが、まあ一番の近道ということにはなります。もちろん一回言っただけだと、不具合直してくれないベンダーと同様に、一回だと今回みたいに「貴重なご意見ありがとうございました」で終了する場合が多いのだけど、それが5人、10人になるとさすがに放っておけないね、となっていくわけなので、やはり声を上げるのは重要です。
というわけで、もし川口市で路上喫煙が気になる方がいらっしゃったら、僕のメールをテンプレートで使って頂いて構わないので、市長にメールしてみてください。
一方で、僕個人の路上喫煙者への声掛け大作戦では、この1週間で4人の路上喫煙者に遭遇しました。そのうち2人に声をかけたところ、2人ともその場で路上喫煙をやめてくれました。特に激昂もされませんでした。
プログラムの不具合に気づいたら、勝手にパッチを書いてオープンに配布しちゃうハッカーのように、街で不具合見つけたら自分で直してみる、というのが意外に早いかも、と思った次第。
「半径5メートルを、ハックしろ」という啓示なのかも、です。



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当記事はNPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹の個人的な著述です。
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