【大手小町】保育園狂想曲次章
「第三者評価は、うちは出してないんですよ。すいませんね。」
僕は一瞬耳を疑った。
「え?第三者評価、ですよ。」
「ええ。うちは非公開なんです。」
そんなわけあるわけないだろ、と喉まで出かかったが、抑えた。いかんいかん。今はいちパパである。
「あのですね。第三者評価というのは法的に市民の公開が義務付けられていますよね?」
努めておだやかに、微笑みつつ聞いた。
「あの、うちの園はどの園も高得点なので、大丈夫です。」
「そういうことじゃないんですけどね・・・(怒)」
だんだんイライラしてきた。
「じゃあ、情報公開請求手続きをして下さい。」
情報公開請求というのは、自治体等の情報を強制的に公開するようにさせる、市民側の強い道具だが、自治体側としては、非常に煩雑な作業が発生する。こっちが知らないだろう専門用語を言えば引き下がると思っているのだろうか。
「分かりました。じゃあ情報公開請求しますね。良いんですね、本当に?お仕事大変お増えになろうかと思いますけども。」
上司の顔色が変わった。
「分かりました。そこまで仰るなら、ここだけでお見せいたしますね。今印刷してきますね。あ、持って帰っちゃダメなんですけどね。ここで見て頂ければ。」
そういって、プリントアウトしてきた紙を、上司は見せてくれた。
単に各項目で点数が付いていて、どれも8点以上というだけで詳しい事が分からず、結局有用な情報ではなかった。
地元で心証悪くしても何なので、笑顔で御礼を言って帰ったが、はらわたは煮えていた。妻は機嫌の悪い僕にうんざりしている。
僕は第三者評価が非公開なことがあるなんてことがあるのか、Twitterというミニブログで聞いてみた。神奈川県の知人の議員からすぐに返答が来た。
「そんなことはありません。あなたの地元の市の園の第三者評価は、県のウェブに出てますよ。ほら。」
ということで、普通にウェブに乗っている話であった。
何なんだ、市役所!!!!
おそらくほとんどの公務員の方は一生懸命仕事をされて優秀なのだと思うので、一色単にしてはいけない、と思いつつ、怒りは頂点に達した。ふごー!
待機児童問題を解消しよう。その日、改めて自分の仕事の意義を確認できた。
だとすると、自らの仕事へのモチベーションを劇的に上げてくれた市役所に、感謝すべきかも知れない。
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当記事はNPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹の個人的な著述です。
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