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【大手小町】「経営者が来ない職場」のメリット

出産直前からほとんど出社しなくなり、10月に入って正式に育休に入った。育休といっても、法的な育児休業は従業員のもので、経営者には法的な規定があるわけではない。
実際に、育休を取る経営者は日本広しといえども、ほとんどいない。なので、僕は「経営者の育休」という未開拓な土地に、新しい地図を描いていかないといけないのだった。
普通にお勤めの方と違い、経営における全責任は、経営者たる僕が担っている。命を預かる仕事でもあるので、その責任は計り知れない。80人程度の中小企業だが、従業員の生活もかかっている。こうした状況において、会社と全く音信不通になる、というのは現実的ではない。
そこで、自分の仕事の90%を部下達に割り振り、重要な意思決定のみ在宅で行う、という手法を試してみた。9つあった定例会議への参加を3つに減らし、しかも在宅からSkypeという電話会議ソフトを立ち上げて必要な部分だけ遠隔部分参加。
メールも、今までは関連するプロジェクトのメーリングリストを全て見ていたが、個人宛のもののみ見ることにして、実際に返すのは更にそのうちの幾つか、というようにした。
当初は自分がいなくて回るか、が大変不安であった。だが、2週間近くたっても何も変わらず職場は機能している。そしてふと考えた。とすると、今までの自分の90%の仕事は、何だったのだろうか、と。
おそらく「過剰管理」であったのだろう。もっと社員一人一人を信頼して、もっと任せていたら、自分は本当に重要なことのみに集中できていたのかもしれない。
それで失っていた機会は如何ほどだろうか。計り知れない。
更に嬉しい成果が出始めていた。
在宅から会議に部分参加していた時に、これまで僕の指示を仰いで動いていた管理職達が、
「とりあえず、このトラブルに関しては、これとこれとこういう対策を既に打っていますので、ご安心を」
と、何も言われなくても動いていてくれていた。
つまり、僕がいないことで、より責任感を持ち、成長してくれていたのだった。
これは良いことづくめではなかろうか・・・。良いぞ、経営者の育休。これはイケるかも。
そんな風にルンルンしていた矢先に、職場を大きく揺さぶるようなことが起こったのだった。
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当記事はNPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹の個人的な著述です。
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