駒崎 弘樹 公式ブログ 事業ニュース

【歳末特集企画】社会的孤立者の割合がOECDの中でトップの日本。「 #つらいが言えない 」はいまの社会全体の問題

もう来週から12月、あっという間です。
クリスマスやお正月の計画を考え始めたり、という方も多いのではないでしょうか?

「12月」と聞くと思い出す、ある人の言葉があります。

 

夜中にかかってくる一本の電話、先の見えない不安

「12月は年の瀬が近づき、夜中の電話も増えます。
お金が無い、離婚したい、どうしよう・・・
『新しい年の準備をする』そんな世の中の雰囲気のなかで、生活が苦しくて、先が見えなくて、不安で押しつぶされそうになるんだと思います」

 

長崎県ひとり親家庭等自立促進センター「エールながさき」の事務局長を務める山本さんの言葉です。

長崎で、ひとり親の支援や貧困問題に取り組んでいます。夜中も手元に置く携帯電話に相談の問い合わせを転送。

「特に夜中の電話は長い間沈黙になるときもあって・・・そういったときはあまり質問せず、ときどき『大丈夫ですよ、待ってますよ・・・』とだけ伝えます。
やがてポツポツと少しずつ話しを始めてくれます」

 

毎年12月末からお正月にかけ、Googleで「孤独」の検索数が急増するというデータもあります。

 

社会的孤立者の割合がOECD中1位の日本

以下は、「社会的に孤立している人の割合がどれくらい高いか?」をOECD加盟国で調査したときのランキングです。

友人や同僚、地域のコミュニティなどとの交流が「ほとんど無い・無い」と答えた人の割合が、日本は20ヶ国中トップでした。

 

宗教観の違いなどもあるかとは思いますが、なかなか周りを頼れない人が多い、ということがデータからも分かります。

 

自分にも身に覚えのある、「#つらいが言えない」

冒頭の山本さんも言っていました。

「つらいと言えるのは、まだ状況が良い方です。相談できない人の方が大変なことが多い」

 

「悩み事や相談事があれば言えばいいじゃないか」そんな声も聞こえます。

でも、僕自身振り返っても、「悩みが他人に言えなかった」経験は腐るほどあります。フローレンスという会社を起業して15年目になったいまでも。

「自分がどう思われるか?」を気にして、話せる人が周りにいないときもありました。

 

「つらい」が言える、「助けて」が言える。

それってものすごくパワーが要ることです。SOSを出せただけで、それ自体は小さく見えても、実はものすごく大事な一歩だったんだな、と思います。

 

この問題はなにも出産や子育てに限った話では有りません。

仕事のストレスで相談できないままメンタルを壊す、お金のトラブルを早い段階で相談できず悪化する、いじめや人間関係の悪化を誰にも相談できずに一人で悩む・・・

きっと、性別や年齢、置かれている状況が違っても、「つらい、助けて」が言えない。

いろいろな理由で、相談窓口に行くことが出来ない。

そんな人が実はたくさんいるんじゃないか? そして困りごとを抱えて、一人でどんどん辛くなっているんじゃないか?と僕たちは考えました。

 

まずは知ってもらいたい、「#つらいが言えない」

でも、まだまだこの問題はあまり知られていません。

日本の福祉制度として、窓口に来て相談する人を待つ「お店モデル」が殆どで、相談できない・自分が何に困っているか言葉にできない人の相談や支援の仕組みが殆ど普及していないことにも現れています。

そして困っている人の困りごとがものすごく大きくなったり、事故や事件などが起きてからでないと気付くことができず、その時には手遅れか、介入に非常に大きな労力がかかるようになってしまうのです。

「#つらいが言えない」人が取り残される社会を変えていくため、まずはこの問題にきちんとスポットライトが当たるようにしたい。

 

そこで、どうしたらいろいろな人の「声なき声」を知ることができるだろうか?と考えて、誰でも参加できる「#つらいが言えない」特集企画を始めることにしました。

#つらいが言えない」のハッシュタグをつけて、Twitterやnoteであなたの声を聞かせてください。匿名でもかまいません。

 

自分で発信する以外にも、以下のようなアクションも大歓迎です!

・「この問題ってみんなに起きているよ」「共感できる」のメッセージを伝える
・ 記事やツイートをシェアしたり「いいね!」する

 

 

▼今回の企画は、「一般社団法人 こども宅食応援団」で実施中です。
企画についての詳しくはこちらをご覧ください。
https://hiromare-takushoku.jp/2019/11/17/479/

 

こども宅食応援団では、生活が苦しいなど困りごとがあるものの「周りに知られずに支援を受けたい」というニーズのある子育て家庭に寄り添う、「こども宅食」の全国普及を目指します。

 

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