駒崎 弘樹 公式ブログ
メディア掲載
◎休眠預金法案のピンチに、日経新聞が燦然と社説掲載
毎年850億円発生する休眠預金を、預金者の請求権を保護しながらも、外国のように「困っている人々」の支援に活用していこうという「休眠預金活用法案」が、今ピンチです。
「政党で争うことないよね」ということで超党派議連で議論されてきたこの法案、各党でさくっと承認を得て、後は残すところ自民党の総務会という意思決定プロセスを残すのみとなりました。
と、そこで「政府もお金ないんだから、予算に入れちゃえ」「年金に穴埋めしても良いんじゃない」等という反対意見が出たと言うのです。
ありえない!
そもそも休眠預金活用は、「国民の預金を、国民に返す」というのが前提になります。
預金者は亡くなっていたり忘れていたりして、直接は返せない部分を、国民の中で一番困っている人たちに返そう、と。
にも関わらず、政府の予算になっちゃったら、またぞろ新国立競技場みたいな無駄なものに消えていってしまいます。
年金だったら、お金を持っている高齢者にも配られるので、特に「困っている人」に限定することもできなくなります。
頼むよ、自民党総務会!
そして国会閉会は9月27日に迫り、もうそろそろ自民党でOKを頂かないと、今国会での提出は絶望的になります。
そして安倍政権の支持率が下がり続ける中、次、いつチャンスがあるか、全く闇の中です。
何としてでも今国会で通して頂かなくてはなりません。
そのためにも、世論を高めていかねばなりません。
メディアの方々。ぜひ休眠預金法案が潰されないよう、お力をお貸しください。
日本で最も困っている人々のために、眠ったお金が使われるよう、あなたの力が必要です。
——
休眠預金を民間福祉に生かせ2015/8/14 3:30 朝刊金融機関で10年以上出し入れがない休眠預金を民間の社会福祉事業に活用しようという法案の国会提出が難航している。官による福祉とは別に、民の知恵と工夫を生かした福祉事業が進む可能性がある仕組みだ。十分な議論のうえ着実に前進させたい。法案は超党派の議員連盟がまとめている。休眠預金は毎年全国で800億円ほど発生し、預金者からの返還請求に応じても500億円程度残るとされる。今は最終的に金融機関の利益となるので、広く国民に還元する手法として今回の構想が持ち上がった。法案骨子によると、休眠預金はいつでも預金者の払い戻し請求に応じることができる体制を整える。その上で民間団体が実施する生活困窮者や子どもの支援、地域活性化などの事業のため、助成金や貸付金として活用する。資金の管理運用に当たっては、中央に民間の新たな組織を設立する。この組織が全国各地の民間財団などへ資金を配分し、そこから地域で実際に事業展開するNPOなどに資金が回る仕組みだ。法案については各党がほぼ合意した。ところが最終局面で自民党の一部などに資金の使い方に対する異論が出た。今国会への法案提出も微妙になりつつある。異論の中には「休眠預金は国庫に入れるべきだ」との声があるようだ。それも一つの手であることは確かだろう。ただ今回の仕組みは、行政にはなかった斬新な民間の発想で福祉事業を効率化していくことが主眼のはずだ。政府の社会保障や福祉の関連予算は年間30兆円を超えている。ここに数百億円を足しても大きな変化は見込めないだろう。官の制度では十分に目配りできない人たちを救うためにも、新たな発想が必要とされている。資金の活用に当たっては、透明性の確保は当然のことだ。事業を担う民間団体には規律や成果も求められる。簡単な仕組みではないが、試す価値は十分にあるのではないだろうか。
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